お宮参り、「大安」じゃないとダメ?「先勝」の知られざるメリットと日取りの決め方完全ガイド

六曜

わが子の誕生という奇跡に感謝し、健やかな未来を願う、日本ならではの美しい儀式「お宮参り」。

赤ちゃんの小さな手を引き、家族みんなで神社へ向かう光景は、新しい家族の歴史の、輝かしい1ページ目となることでしょう。

しかし、その大切な1日をいつにするか、いざ計画を始めると多くのパパ・ママが頭を悩ませます。

「仕事の休みは取れるけど、その日は“大安”じゃない…」
「両家の祖父母の都合を合わせるのが大変!」
「そもそも、いつまでに、どこへ行けばいいの?」

特に、カレンダーに記された「六曜」は、大きな悩みのタネになりがちですよね。

ご安心ください!

この記事では、そんなお宮参りの日取りに関するあらゆる疑問を解消します。

結論から言えば、お宮参りは「先勝」でも全く問題ありません。

それどころか、知る人ぞ知るメリットもあるのです。

六曜との上手な付き合い方から、日程決めで本当に大切なこと、さらには当日の準備まで。

この記事一本で、自信をもってお宮参りの日を迎えられるよう、徹底的に解説していきます。

 第1章:お宮参りの日取り、カレンダーの前に考えるべき「2つの最優先事項」

縁起の良い日を選ぶ前に、もっともっと大切なことがあります。

それは、この日の主役である赤ちゃんと、出産という大仕事を終えたばかりのママのコンディションです。

 何よりも大切なのは「赤ちゃんとママの体調」

一般的に「男の子は生後31日目、女の子は生後32日目」と言われますが、これはあくまで昔からの目安。

現代の私たちにとって、この数字は絶対ではありません。

  • ママの体調
    産後1ヶ月は、ホルモンバランスが目まぐるしく変化し、心も体も非常にデリケートな時期。
    睡眠不足も重なり、見た目以上に体力は消耗しています。
    「もう大丈夫」と思っていても、無理は禁物です。
  • 赤ちゃんの体調
    生後1ヶ月の赤ちゃんは、まだ首もすわっておらず、体温調節も上手にできません。
    長時間の外出や人混みは、想像以上に大きな負担になります。

まずは産後の1ヶ月検診を受け、お医者様から「母子ともに順調ですよ」というお墨付きをもらってから、ゆっくり計画を立て始めましょう。

もし当日、少しでも「大変そうだな」と感じたら、勇気をもって延期する判断も、わが子と自分を思う愛情の証です。

 見落としがちな「季節」への配慮と対策

生まれて間もない赤ちゃんと一緒に過ごすお宮参り。

季節によっては、特別な配慮が必要です。

  • 猛暑の夏(7月~8月)
    日中のアスファルトの照り返しは、大人でも堪えるもの。
    涼しい午前中の早い時間帯に済ませるのが鉄則です。
    日傘はもちろん、赤ちゃんを紫外線から守るUVカット機能のあるケープや、熱中症対策の水分補給も忘れずに。
  • 極寒の冬(12月~2月)
    厳しい寒さは赤ちゃんの体力を奪います。
    防寒性の高いおくるみや、帽子、厚手の靴下などでしっかりガードしましょう。
    ご祈祷の待合室などに暖房があるか、事前に神社へ確認しておくと安心です。
  • 天気が不安定な梅雨(6月頃)
    天気予報をこまめにチェックし、雨天でもご祈祷が可能か確認しておきましょう。
    いっそのこと、お参りの日と写真撮影の日を分けるのも一つの手。
    スタジオでの記念撮影を予約しておくのも良いですね。

もしお宮参りの時期が気候の厳しい季節と重なるなら、無理は禁物。

過ごしやすい春や秋まで時期をずらす(生後3~5ヶ月頃)のも、家族みんなが笑顔で過ごすための賢い選択です。

第2章:気になる「六曜」問題!お宮参りと本当の関係は?

さて、ここで本題の「六曜(ろくよう)」です。

「大安」「仏滅」など、お日柄の良し悪しを示すこの言葉、一体どのように付き合えば良いのでしょうか。

そもそも「六曜」は神社の行事と無関係

驚かれるかもしれませんが、実はこの六曜、そのルーツは中国にあり、もともとは「その日の吉凶を占う」ための指標、いわばゲン担ぎのようなものでした。

賭け事の勝ち負けを占うために使われていた、という説もあります。

つまり、日本の神様をお祀りする神社の教え(神道)とは、直接的な関係がないのです。

ですから、「お祝い事は絶対に大安で!」と神経質になる必要は全くありません。

お宮参りにピッタリかも?「先勝」の魅力

「先んずれば即ち勝つ」という意味を持つ「先勝(せんしょう/さきがち)」は、午前中が「吉」とされる日。

お宮参りは、混雑を避けたり、その後の食事会の時間を考えたりして、午前中に済ませたいご家庭が多いもの。

そう考えると、先勝はまさにお宮参りにうってつけの日と言えるでしょう。

午後からは「凶」に転じますが、お昼過ぎまでに終えるスケジュールなら何の問題もありません。

【参考】他の六曜はどんな日?

六曜 意味・特徴 お宮参りのポイント
大安
(たいあん)
一日中ずっと「吉」。
最も縁起が良いとされる。
人気No.1。
神社が混み合ったり、写真館の予約が取りにくかったりすることも。
友引
(ともびき)
朝晩は「吉」。
昼(11時~13時頃)だけ「凶」。
午前中か、午後1時以降のお参りに最適。
大安に次ぐ吉日です。
先負
(せんぶ/さきまけ)
午前が「凶」で、午後が「吉」。 午後からゆっくりお参りしたいご家庭におすすめです。
赤口
(しゃっこう/しゃっく)
昼(11時~13時頃)のみ「吉」。
他は「凶」。
「赤」が火や血を連想させるため、祝い事は避けられがち。
お昼どきを狙ってお参りするならOK。
気にしすぎる必要はありません。
仏滅 (ぶつめつ) 一日を通して「凶」とされ、お祝い事は避けられがち。 気にする必要はありませんが、ご家族の意向も確認しておくとより安心です。
【コラム】おじいちゃん・おばあちゃんへの上手な説明の仕方

ご両親や義両親が六曜を気にされることもあるでしょう。
それは、子や孫の幸せを願う愛情の表れ。
その気持ちを尊重しつつ、こんな風に説明してみてはいかがでしょうか。

  • 「お宮参りは午前中に行くのが良いと聞いたので、午前が吉の“先勝”を選んだんだよ」
  • 「大安はすごく混むみたいだから、赤ちゃんの負担を考えて、少し空いている日にゆっくりお参りしてあげたくて」
  • 「お医者さんとも相談して、赤ちゃんと私の体調が一番良いこの日にしたんだ」

理由を添えて丁寧に説明すれば、きっと理解してくれるはずです。

第3章:これですっきり!お宮参り基本のQ&A

Q1. 時期はいつまで?

A. 生後3ヶ月~半年以内なら全く問題ありません。焦らないで!
時期を少し遅らせることには、メリットもたくさんあります。
赤ちゃんの首がすわって抱っこしやすくなったり、表情が豊かになって写真写りが良くなったり、ママの体調がすっかり回復したり。
最近では、生後100日目に行う「お食い初め」と合わせてお祝いするご家庭も多いですよ。

Q2. 場所はどこにする?

A. 選択肢はたくさん!自由な発想で選びましょう。
伝統的には、その土地の神様(氏神様)がいる神社にお参りし、新しい家族の一員としてご挨拶します。
しかし、安産祈願でお世話になった神社、両家が集まりやすい場所にある有名な神社など、ゆかりのある場所で全く問題ありません。
また、お寺でもお宮参りを受け付けているところがあります。
ご家庭の考え方に合わせて、最適な場所を選んでくださいね。

Q3. ご祈祷の予約や準備は?

A. 事前に神社へ確認するのが確実です。
神社によっては予約が必要な場合も、当日受付のみの場合もあります。
まずは神社のウェブサイトを確認したり、電話で問い合わせたりしてみましょう。
その際、ご祈祷料である「初穂料(はつほりょう)」の金額も確認しておくとスムーズです。
初穂料は5,000円~10,000円が相場で、紅白の蝶結びの「のし袋」に入れて準備します。

Q4. 当日の服装はどうしたらいい?

A. 主役の赤ちゃんは「祝い着」、大人は「セミフォーマル」が基本です。

  • 赤ちゃん
    白羽二重(しろはぶたえ)の着物の上に、華やかな「祝い着(産着)」を掛けるのが正装です。
    ベビードレスの上に掛けても素敵ですよ。
    レンタルサービスも充実しています。
  • ママ・パパ
    スーツやワンピースなど、神様の前に出るのにふさわしい、少し改まった服装を。
    授乳中のママは、前開きのワンピースなどが便利です。
  • 祖父母
    ご両親に合わせて、スーツや上品なアンサンブルなどが良いでしょう。

まとめ:最高の思い出を作るために

お宮参りの日程で悩んだら、この順番で考えてみてください。

  1. 【最優先】赤ちゃんとママの体調は万全か?
  2. 【気 候】暑すぎず、寒すぎない快適な日か?
  3. 【都 合】家族のスケジュールは合うか?
  4. 【六 曜】最後に参考程度に見てみる。

「先勝」の日は、人気の「大安」に比べて神社が混み合いにくく、写真撮影やご祈祷の予約もスムーズに進むことが多い、という嬉しいメリットがあります。

何よりも大切なのは、形式にとらわれることではなく、家族みんなで赤ちゃんの誕生を祝い、健やかな成長を心から願う気持ちです。

準備は少し大変かもしれませんが、それもまた家族の素晴らしい思い出になります。

この記事が、あなたとご家族にとって最高の一日を迎えるための一助となれば幸いです。

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