いよいよ自分の城を築く、個人事業主としてのスタート!
希望に胸を膨らませ、税務署に提出する開業届。
その中で、意外と頭を悩ませるのが「開業日」をいつにするか、ですよね。
お店のオープン日など、日付が明確な場合はスムーズですが、Webサイトでの開業など、特に決まった日がない場合は「いつにしよう…」とカレンダーを眺めてしまうもの。
「せっかくの門出だから、縁起の良い日を選びたい!」
そう思うのは当然のこと。
一番人気の「大安」にできればベストだけど、準備の都合でそうもいかない…。
もし開業日が「先勝」になったら、縁起が悪いなんてことはないのでしょうか?
ご安心ください。
この記事では、あなたのそんな疑問や不安を解消し、最高のスタートを切るための「開業日の決め方」を、分かりやすく、そして楽しくご紹介します。
そもそも「六曜」って気にするべき?
カレンダーでよく見かける「大安」や「仏滅」。
これらは「六曜(ろくよう)」と呼ばれる、中国から伝わった暦の上の占いです。
実は、その日の吉凶に科学的な根拠はありません。
最近では六曜を気にせず、仏滅に結婚式を挙げるカップルも増えていますし、かつて葬儀を避けるために休みがちだった「友引」も、今では通常営業の葬儀社や火葬場がほとんどです。
結論から言うと、六曜の縁起を気にしすぎる必要は全くありません。
とはいえ、大切なスタートの日。
「げんを担ぎたい」「気持ちよく始めたい」という想いはとても大切です。
六曜は、あなたの決意を後押ししてくれる、心強いスパイスのようなもの。
上手に取り入れて、最高の開業日を選びましょう!
【目的別】開業日に選びたい!縁起の良い日カレンダー
縁起の良い日と一言でいっても、実はさまざまな種類があります。
ここでは代表的な吉日を目的別に見ていきましょう。
とにかく最強のスタートを切りたい!【総合運UPの吉日】
- 天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)
「天がすべての罪を赦(ゆる)す日」とされ、暦の上で最強・最高の吉日です。年に5〜6回しか訪れない、まさにスペシャルデー!この日に始めれば、どんなこともスムーズに進むと言われています。
最高の開業日を狙うなら、まずこの日をチェックしましょう。
- 一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
「一粒のもみが、万倍もの稲穂に実る」という意味を持つ、素晴らしい吉日。この日に始めたことは、やがて大きな成果に繋がるとされています。
ビジネスの種をまく開業日には、これ以上ないほどピッタリですね!
ただし、借金や人から物を借りるのはNG。
「苦労も万倍になる」と言われているので注意しましょう。
- 大安(たいあん)
「万事において吉」とされる、吉日の王様。一日を通して縁起が良く、誰にでも分かりやすいので、開業日として最も人気があります。
月に5〜6回は巡ってくるので、スケジュールも合わせやすいのが魅力です。
事業の成功は金運から!【金運UPの吉日】
- 寅の日(とらのひ)
黄金色の毛を持つ虎は、金運の象徴。「虎は千里を行って千里を帰る」ということわざから、「出したお金がすぐに戻ってくる」という意味を持つ、商売繁盛にうってつけの日です。
- 巳の日(みのひ)
芸術や財運を司る神様・弁財天の使いとされる蛇(巳)。この「巳の日」は、弁財天様のご利益で金運・財運がアップすると言われています。
さらに60日に一度やってくる「己巳の日(つちのとみのひ)」は、その効果がさらに高まるスーパーラッキーデーです。
時間帯を意識すれば大丈夫!【条件付きの吉日】
- 先勝(せんしょう/さきがち)
今回のテーマでもある「先勝」。「先んずれば即ち勝つ」という意味で、午前中(目安として14時まで)が吉、午後が凶とされています。
午前中に開業の届け出を済ませたり、お店をオープンしたりすれば問題ありません。
むしろ「勝」の字が入っていることから、勝負事の始まりとして好んで選ぶ方もいます。
- 友引(ともびき)
大安に次ぐ吉日ですが、お昼の時間帯(11時〜13時頃)だけは凶となります。元々は「共引」と書き、勝負がつかない日という意味も。
「ライバルと差がつかない」と考える人もいますが、「友を引き寄せる」と解釈し、良いお客様やパートナーに恵まれることを願って開業日にするのも素敵です。
- 先負(せんぶ/さきまけ)
先勝とは逆に、午前が凶、午後からが吉となる日。「負」という字を気にする方もいますが、「慌てず、午後にじっくり始めるのが良い」と捉えればOK。
午後に開業イベントを予定している場合などには、むしろピッタリかもしれません。
できれば避けたい?注意が必要な日
吉日があれば、もちろん注意したい日もあります。
でも、解釈次第でポジティブにも変えられますよ。
- 赤口(しゃっこう/しゃっく)
お昼の時間帯(11時〜13時頃)のみ吉で、あとは凶。特に「赤」が火や血を連想させるため、火事や刃物に注意すべき日とされています。
- 仏滅(ぶつめつ)
六曜の中で最も縁起が悪いとされ、一日中が凶日です。しかし、最近では「物滅」と捉え、「物が一旦滅び、新たに始まる」「ゼロからのリスタート」という意味で、あえてこの日を選ぶ人も増えています。
古い自分をリセットして、まっさらな気持ちで始めたい方には良いかもしれません。
- 不成就日(ふじょうじゅび)
その名の通り「何事も成就しない」とされる日。もし「天赦日」や「一粒万倍日」といった最高の吉日とこの日が重なると、せっかくの幸運が半減してしまうとも言われています。
吉日を選ぶ際は、不成就日と重なっていないか確認すると、より安心です。
発想は自由に!あなただけの「最高の開業日」を見つけよう
縁起の良い日も素敵ですが、開業日の決め方はもっと自由でいいんです。
先輩経営者たちは、こんな風に特別な一日を決めています。
- 自分や家族の誕生日
- 夫婦の結婚記念日
- 「11月22日(いい夫婦)」のような、覚えやすい語呂合わせの日 (例:焼肉屋さんなら「2月9日(肉の日)」、お花屋さんなら「8月7日(花の日)」など。お客様にも覚えてもらいやすく、イベントも開催しやすいメリットがあります)
- ラッキーナンバーや、事業にちなんだ数字の日
まとめ:最高の開業日は「あなたが『始める』と決めた日」
ここまで様々な吉日や凶日をご紹介してきましたが、一番大切なことをお伝えします。
それは、「大安だから成功するわけでも、仏滅だから失敗するわけでもない」ということです。
日取りは、あなたの船出を後押ししてくれる追い風のようなもの。
たとえ希望の吉日が選べなくても、「その分、自分の力で成功を掴むぞ!」と覚悟を決める方が、何倍も力強いスタートを切れるはずです。
縁起の良さは、あなたの心の中にあります。
カレンダーとにらめっこする時間はほどほどに、あなたが「この日に始める!」と決意した一日を、ぜひ最高の開業日にしてください。
あなたの新しい挑戦を、心から応援しています!