カレンダーの隅に書かれた「赤口(しゃっこう、しゃっく)」の文字。
なんだか不吉な響きに、大切な予定を入れてもいいのか迷ってしまいますよね。
「結婚式や引越しの日取り、赤口は避けるべき?」
「もし赤口に何かするなら、何時がいいの?」
「そもそも赤口って、一体何なの?」
そんなあなたのモヤモヤを、この記事でスッキリ解消します!
実は、赤口はただの「悪い日」ではありません。
その意味や由来を知れば、上手に付き合うヒントが見えてきます。
この記事では、赤口の日に避けるべきこと、逆に気にしなくても良いこと、そしてどうしても行動したい場合の「ラッキータイム」まで、あなたの知りたい情報をギュッと詰め込みました。
伝統的な暦の知恵を味方につけて、不安な気持ちを晴らし、あなたにとって最高の一日を選び取りましょう。
そもそも「赤口」って何者?
まずは、赤口の正体を探ってみましょう。
一言でいうと、赤口は「六曜(ろくよう)」という、昔ながらの暦占いのひとつで、「万事に凶」とされる要注意日です。
六曜とは、カレンダーでよく見かける「大安」や「仏滅」の仲間のこと。
その日の運勢を占う指標として、古くから私たちの生活に根付いてきました。
その中でも赤口は、特に注意が必要な日とされています。
なぜなのでしょうか?
名前に隠された怖い由来
「赤口」の「赤」という漢字は、「血」や「火」といった災いを連想させます。
そのため、火事や刃物によるケガに特に気を付けるべき日とされてきました。
また、赤口は平安時代から伝わる陰陽道の「赤舌神(しゃくぜつしん)」という神様と、その部下である恐ろしい鬼「羅刹(らせつ)」が支配する日だとも言われています。
鬼が人々を悩ませ、物事をことごとく邪魔してしまうため、「何をしてもうまくいかない凶日」とされたのです。
このような背景から、結婚式やお祝い事など、幸せな門出の日にはふさわしくないと、昔から避けられてきました。
たった2時間だけの「セーフティータイム」
一日中、鬼が暴れているなんて、考えるだけで憂鬱になりますよね。
でも、ご安心を。
そんな鬼たちにも、お昼休憩があるんです!
それが、午前11時頃から午後1時頃までの「午(うま)の刻」。
この時間帯だけは鬼が休むため、凶の力が弱まると言われています。
もし、どうしても赤口の日に何かをしなければならない場合は、この「鬼のランチタイム」を狙うのがおすすめです。
【シーン別】赤口の日にこれってOK? NG?
では、具体的にどのようなことを避けるべきで、どのようなことは気にしなくても良いのでしょうか。
人生の大切なイベントごとに見ていきましょう。
避けた方がベターなことリスト【お祝い事・新しいスタート編】
赤口の日は「新しい始まり」や「お祝い事」との相性があまり良くありません。
その理由は、縁起が良くないだけでなく、「赤」が火事や争いを連想させ、門出に水を差すと考えられているからです。
もちろん、これはあくまで伝統的な考え方。
現代では気にしない方も増えていますが、家族や周りの人が気にする場合は、配慮する気持ちも大切です。
入籍・結婚式
お二人の輝かしいスタートには、やはり最高の吉日を選びたいもの。
赤口は「死」や「血」を連상させるため、お祝い事には不向きとされています。
ケーキカットの刃物やキャンドルサービスの火が、不吉なイメージと結びつきやすいのです。
- どうしてもこの日なら…:
予約が取りやすかったり、割引があったりするメリットも。その場合は、鬼が休憩している11時~13時の間に挙式や入籍手続きを行うと良いでしょう。
引越し・ 大きな買い物(車や家)
新生活の第一歩である引越しや、大きな契約も「新しい始まり」です。
「赤」が火事を連想させるため、新しい住まいへの引越し日としては避けられる傾向にあります。
- どうしてもこの日なら…:
契約や鍵の受け渡しだけでも吉日に行い、引越し作業を赤口の日に行うなど、工夫するのも一つの手です。作業はぜひ、11時~13時の間に行いましょう。
お宮参り・七五三
お子様の健やかな成長を願う大切なお祝い事。
基本的には六曜を気にする必要はありませんが、ご両親や祖父母など、縁起を重んじる方がいる場合は、わざわざ赤口を選ぶ必要はないかもしれません。
- どうしてもこの日なら…:
なぜその日でなければならないのか(例:家族が全員揃うのがその日しかない、など)を事前にしっかり説明し、みんなが納得した上でお祝いしてあげましょう。
契約ごと
不動産の売買や会社の設立登記など、人生の節目となる契約も、縁起を担ぎたいもの。
自分は気にしなくても、相手方が気にしている可能性もあります。
お互いが気持ちよくスタートを切れるよう、日取りは相談して決めるのがスマートです。
気にしなくても大丈夫!なことリスト
一方で、「赤口だからやめておこう…」と考える必要がないこともあります。
お葬式・お通夜・法事
これらは「お祝い事」ではないため、六曜の吉凶は関係ありません。
仏教や神道と、民間信仰である六曜はルーツが異なるため、気にする必要はないとされています。
安心して故人を偲び、供養してあげてください。
- 注意点:
葬儀で避けるべきは「友引」です。「友を冥土へ引く」とされ、火葬場が休業になることが多いため、注意が必要です。
lottery 宝くじの購入
「大安吉日」ののぼりが出ている売り場を見ると、つい縁起の良い日に買いたくなりますよね。
しかし、宝くじの当せんはあくまで確率の問題。
統計上、どの六曜の日に買っても確率は変わりません。
むしろ「仏滅に高額当せん者が出た」というデータもあるとか。
インスピレーションを信じて買うのが一番です。
厄払い
厄払いも神事や仏事にあたるため、六曜とは無関係です。
ご自身の都合の良い日を選び、心穏やかにお祓いを受けましょう。
大切なのは、日柄よりも心を込めて祈願することです。
財布の購入・使い始め
赤口に財布を買ったり使い始めたりしても、特に問題はありません。
しかし、「せっかくなら金運をアップさせたい!」と思うなら、「大安」や「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」といった、もっと縁起の良い日を選ぶと、気分も上がっておすすめです。
まとめ:赤口と上手に付き合うための3つの心得
さて、赤口のトリセツ、いかがでしたか?
最後に、大切なポイントを3つにまとめます。
- 赤口は「万事に凶」だが、11時~13時は鬼の休憩時間!
一日中ダメなわけではありません。この「セーフティータイム」を上手に活用しましょう。
- お祝い事は避け、弔事は気にしなくてOK
人生の新しい門出は慎重に。故人を偲ぶ行事は、六曜と切り離して考えましょう。
- 一番大切なのは、あなたと周りの人の「気持ち」
伝統や風習は、私たちの生活を豊かにするスパイスのようなもの。しかし、それに振り回される必要はありません。
自分自身が納得し、関係するみんなが気持ちよく過ごせる日を選ぶことが、何よりの「吉日」と言えるでしょう。
暦の知識を賢く使って、不安を解消し、あなたらしい素敵な毎日をお過ごしください。