母倉日と仏滅、相反する2つの日が重なったらどうなる?
暦の世界には、日々の吉凶を示すさまざまな「暦注(れきちゅう)」が存在します。
その中でも「母倉日(ぼそうにち)」と「仏滅(ぶつめつ)」は、それぞれ正反対の意味合いを持つ日として知られています。
母倉日は「天が人を慈しむ」とされる非常に縁起の良い日。
一方、仏滅は「物事が終わる」とされる凶日です。
では、そんな吉日と凶日が重なった場合、その日は“縁起が良い”のか“悪い”のか、どう判断すれば良いのでしょうか?
特に結婚や引っ越し、入籍など大切な日を選ぶ際に迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな「母倉日と仏滅が重なった日」について、縁起の見方や暦のしくみを踏まえて解説していきます。
母倉日と仏滅が重なった日の縁起はどうなる?
一見、吉日と凶日が重なると「相殺されるのでは?」と思われがちですが、暦の世界はもう少し奥深いのです。
実は、母倉日は非常に力の強い吉日で、「他の凶日の影響を受けにくい」と言われています。
つまり、仏滅と重なっていたとしても、母倉日のもつ良い運気がそのまま保たれるという考え方が主流です。
しかし注意したいのは、「黒日(受死日)」のような最強の凶日と重なる場合。
これらの凶日は別格で、母倉日であってもその良さが損なわれると言われています。
暦には「下段」「六曜」「選日」など複数の占い的要素があり、それぞれが異なる起源や判断基準を持っています。
そのため、同じ日に吉日と凶日が併存することも珍しくないのです。
入籍や結婚式、引っ越し…日取りは変えるべき?
仏滅と聞くと、多くの人がなんとなく「避けたほうがいい日」と感じてしまうもの。
でも、母倉日と重なっている場合はどうでしょうか?
母倉日は「婚礼に最適な日」とされるほど縁起が良く、結婚や入籍、顔合わせ、引っ越しなど、家族や家庭に関するスタートにぴったりの一日。
仏滅が重なっていても、その効力が打ち消されることはないとされています。
とはいえ、心の持ちようは人それぞれ。
たとえば、両親や親族の中には「仏滅」という言葉だけで不安になる方もいるかもしれません。
縁起を大切にする年配の方々には、日取りについて丁寧な説明や理解を得ることも大切です。
どうしても気になる場合は、時間帯を工夫するという方法もあります。
たとえば「天赦日」や「一粒万倍日」といった他の吉時間に合わせることで、全体的な運気のバランスを整えることができます。
母倉日とは?その決まり方と由来
「母倉日」という名前は、「母が子を育てるように、天が人を慈しむ日」に由来しています。
とても穏やかで愛情深い意味合いが込められており、人間関係や家庭、結婚などに深く関係する吉日です。
母倉日は季節によって割り当てられる十二支の日によって決まります:
– 春(立春~立夏の前日):亥(い)・子(ね)の日
– 夏(立夏~立秋の前日):寅(とら)・卯(う)の日
– 秋(立秋~立冬の前日):丑(うし)・辰(たつ)・未(ひつじ)・戌(いぬ)の日
– 冬(立冬~立春の前日):申(さる)・酉(とり)の日
十二支による日付けは、現代では馴染みが薄くなっていますが、暦の中では非常に古くから使われてきた手法。
毎日が「子・丑・寅…」の順で割り当てられ、12日で一周する仕組みです。
仏滅のルーツと誤解されがちなポイント
仏滅という言葉には、つい「仏様が滅するほど不吉」といったイメージを持たれがちですが、実はその解釈は少し誤解が含まれています。
六曜は中国から伝わった占い的要素で、江戸時代後期から日本で広まりました。
その後、明治時代にカレンダーに記載されるようになり、現代に至ります。
六曜の順番は以下の通り:
先勝 → 友引 → 先負 → 仏滅 → 大安 → 赤口 → 先勝…
これが毎日順番に巡っていく仕組みです。
つまり、月の初日がどの六曜に当たるかによって、月全体の六曜サイクルが決まるというわけです。
仏滅の日には「何事も遠慮するのが良い」とされる一方で、実は「新しいことを始めてリスタートを切るのに向いている」といったポジティブな考え方も存在します。
現代では「気にしない」という人も増えており、自分の価値観に合わせた判断が尊重されつつあります。
母倉日におすすめのラッキーアクション
母倉日は家庭や人間関係に関する運気が高まる日とされ、次のような行動が特におすすめです:
– 家族やパートナーとの会話を大切にする
– 新居の契約・引っ越しの準備を始める
– 開運アイテム(財布・お守り)の購入や使い始め
– 大切な人への贈り物をする
– お世話になっている人に感謝を伝える
母倉日は「育むエネルギー」が強く、思いやりを行動に移すことでさらに運気が高まると言われています。
大切な人との絆を深めるきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
母倉日に避けるべきことはある?
基本的に母倉日は「万事に吉」とされており、特に避けるべきことはありません。
ただし、「吉日だからギャンブルに勝てる」というような過信は禁物。
運気は「努力に報いてくれる」という性質のものであり、短期的な欲に任せた行動には結果が伴わないことが多いのです。
また、母倉日は「人を育む」性質を持つ日であることから、感謝や思いやりの欠如した行動は逆効果になってしまう可能性も。
吉日を活かすためには、自分の言動にも注意を向けたいところです。
まとめ
母倉日と仏滅が同じ日に訪れると「一体どっちの意味が強いの?」と戸惑ってしまいがちですが、母倉日は他の凶日に左右されにくい特別な吉日です。
よって、仏滅が重なっていても、縁起が損なわれることはないと考えられます。
ただし、仏滅という言葉自体にマイナスの印象を抱いてしまう人が多いのも事実。
日取りを決める際には、関係者への配慮や丁寧な説明も大切です。
気になる場合は、他の吉日や吉時間を選ぶという柔軟な対応もおすすめです。
日取り選びは「運気」だけでなく「気持ちよくその日を迎えられるか」も重要な要素です。
自分たちが心から納得し、笑顔で過ごせる日を選ぶことが、最良の縁起につながるのではないでしょうか。