傘寿祝いの熨斗(のし)の書き方や水引きの選び方についてご存知ですか?
熨斗の書き方が分からず不安に感じている方も多いかもしれません。また、どの水引きを選べばよいのかも悩みどころですよね。
そこで、傘寿祝いに適した熨斗の書き方や水引きの種類について詳しく解説します。
傘寿祝いに適した熨斗の書き方
傘寿祝いの熨斗には、「誰からの贈り物であるか」と「どのようなお祝いか」を明記することが基本です。
ただし、熨斗を必ずつけなければならないという決まりはありません。
親しい関係であれば、熨斗なしで直接プレゼントしても問題ありません。
とはいえ、傘寿は人生の重要な節目のお祝いです。
日本の文化に根付いた風習であり、親しい関係であっても礼儀として熨斗をつけるのが一般的です。
文字を書く際には、毛筆や筆ペンを使うのが正式なマナーです。
ボールペンや万年筆は不適切なので、注意が必要です。
なお、熨斗は元々、熨斗紙や熨斗袋の右上にある飾りを指しますが、一般的には水引きと一緒に白い紙で包まれた「熨斗紙」を指すことが多く、熨斗紙だけを使うケースも増えています。
熨斗紙は簡易的な包装とされるため、場合によっては失礼に当たることもあることを理解しておく必要があります。
傘寿祝いの表書きについて
傘寿祝いの熨斗(ここでは熨斗紙を指します)の表書きには、贈り物の目的を明確に記入しましょう。
表書きは熨斗紙の中央上に、水引きの結び目の上に書き入れます。
傘寿祝いの表書きとしては、「祝傘寿」「傘寿御祝」「寿傘寿」、あるいは「寿」「御祝」などが一般的です。
その下の中央部分には贈り主の名前を記入します。
名前はフルネームを用い、表書きの文字より少し小さめに書くと整った印象になります。
連名で贈る際の名前の書き方
傘寿祝いを複数の人で贈る場合、名前の書き方は人数によって異なります。
贈り手が3名以下の場合は、代表者の名前を表書きの下に記入し、その隣に他の方の名前を添えます。
夫婦の場合は、まず夫の名前を書き、次に妻の名前、そして子供の名前を並べます。
会社から贈る場合は、役職や年齢に基づいて名前を並べると良いでしょう。
一方で、3名以上の場合は、代表者の名前の隣に「他親族一同」や「他営業部有志一同」といった表現を使って連名であることを示します。
傘寿祝いで使う水引きの種類
傘寿祝いの熨斗には水引きが付いていますが、傘寿祝いにふさわしい水引きを選ぶことが重要です。
ここでは、傘寿祝いに適した水引きについて説明します。
蝶結び(花結び)
傘寿祝いに蝶結び(花結び)の水引きを選ぶ理由は、結び目がきつく結ばれていないため、何度でも結び直すことができるという特性があります。
傘寿祝いは80歳を祝う長寿のお祝いであり、さらに長生きして米寿や卒寿なども迎えてほしいという願いが込められているため、繰り返し祝うことができる蝶結びが適しています。
結び切り
結び切りは、結び目がしっかりと固く結ばれ、一度結ぶと二度と解けない形をしています。
そのため、「二度と繰り返したくない」お祝いごと、例えば結婚祝いや快気祝いなどに選ばれることが多いです。
あわじ結び
あわじ結びは結び切りの一種で、結び目が固く締まる前の状態です。
水引きの端を引っ張ることで結びが固まるため、特に結婚祝いなどの一回きりで願いが込められるお祝いに使われることが一般的です。
傘寿祝いの内祝いには熨斗をつけるべき?
傘寿祝いの内祝いには、熨斗をつけて贈るのが望ましいとされています。
内祝いに書く熨斗の表書きとしては、「内祝」や「傘寿内祝」、「寿」などが一般的です。
また、名前は傘寿を迎える方のフルネームを記載しましょう。
贈り先が喪中の場合は、「御礼」と表記するのが適切です。
ただし、内祝いは必ずしも必要というわけではありません。
本来、内祝いは結婚や出産などの際に、当事者が感謝の気持ちを表すために贈るもので、受け取ったお祝いへのお返しではありませんでした。
しかし、現在では内祝いには「お返し」の意味合いが強くなっているため、特に身内以外の方からお祝いをいただいた際には、内祝いとして何かお返しをするのが一般的なマナーです。
親しい親戚や友人に対しては、形式的な内祝いではなく、食事会を開いて感謝の気持ちを表す方も多く見受けられます。
傘寿祝いの贈り物にはどんなものが良いか?
「傘寿」という言葉には「傘」という字が含まれているため、記念として傘を贈ることがよくあります。
ただし、外出が少ない方には、傘以外の実用的なものを贈った方が喜ばれることも多いです。
実用的な贈り物としては、日常的に使えるアイテムや嗜好品が好まれます。
たとえば、毎日お茶やコーヒーを飲む方には、湯呑みやコーヒーカップなどがおすすめです。
お酒やお菓子が好きな方には、日本酒やワインの詰め合わせ、和菓子や洋菓子のセットも素敵な選択です。
傘寿祝いの贈り物を選ぶ際には、いつもより上質なブランド品や有名なメーカーのものを選ぶと、特別感が増します。
ただし、日本茶は避けた方が良いとされています。
日本茶は葬儀の返礼品としてよく使われるため、お祝いの場には適していないとされているからです。
まとめ
傘寿祝いで熨斗をつける際のマナーについてお話ししました。
傘寿祝いには、品物に白い紙をかけ、水引きと熨斗をつけるのが正式な形とされていますが、現在では水引きと熨斗が印刷された熨斗紙が主流となっています。
傘寿祝いに用いる水引きは、何度でも結び直せる「蝶結び(花結び)」が適しています。
熨斗紙の表書きには「祝傘寿」や「寿」と記入し、その下に贈り主の名前を少し小さめに入れるのが一般的です。
親しい方へのお祝いでは熨斗を省略することもありますが、気を使わない関係だからこそ、熨斗をつけて贈ることで特別感が生まれます。
必須ではありませんが、傘寿を迎える方への心遣いとして、熨斗をつけて贈るのが良いでしょう。