土用しじみとは?由来や食べる理由を解説

雑節

夏の土用の丑の日といえば鰻を食べる習慣が広く知られていますが、かつてはしじみを食べる風習も根付いていました。

江戸時代には庶民にとって身近な食材だったしじみですが、現在ではあまり意識されることが少なくなっています。

そこで、本記事では土用しじみの意味や由来についてご紹介します。

土用しじみとは?

土用しじみとは、夏の土用の期間に食べられるしじみのことを指し、古くから日本の食文化の一部として親しまれてきました。

「土用」とは季節の変わり目を示す雑節の一つであり、立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指します。

その中でも特に夏の土用が有名で、この期間には体調を整えるために栄養価の高い食材を摂る習慣が生まれました。

夏の暑さで体力を消耗しがちな時期に、滋養強壮に優れた食べ物が重宝されるのです。

しじみは、縄文時代から日本人に食されていたことが分かっており、古代から健康維持に役立つ食材として位置づけられていました。

しじみにはミネラルやアミノ酸が豊富に含まれており、夏の暑さで失われがちな栄養素を補うのに適した食品です。

また、しじみを食べる習慣は、鰻を食べる文化が広まる以前から存在していたと考えられており、当時の人々にとって重要な栄養源であったことがうかがえます。

近年では鰻の方が広く知られるようになっていますが、しじみもまた、夏の土用に適した健康食材として再び注目されています。

なぜ土用の丑の日にしじみを食べるのか?

夏の土用の丑の日には鰻を食べることが一般的ですが、しじみもこの時期に食されてきた理由があります。

もともと、夏の暑さによる体調不良を防ぐために、栄養価の高い食材が求められていました。

しじみはミネラルやビタミンが豊富で、夏バテ予防に適した食材だったのです。

また、しじみに含まれるオルニチンやアミノ酸は、肝機能をサポートし、疲労回復を助ける働きがあります。

そのため、暑さで体力が奪われやすい夏には、積極的に摂取したい食材とされていました。

さらに、しじみには日本人が昔から大切にしてきた食文化の一端が反映されています。

「土用の丑の日には『う』のつく食べ物を食べると良い」とされていたことから、しじみの「し」ではなく「うなぎ」が広まり、次第に鰻が主流になったとも考えられます。

しかし、地域によってはしじみを食べる風習も残っており、特に関西地方では、夏の風物詩としてしじみ汁を楽しむ習慣が根付いているとされています。

近年では、鰻の価格が高騰していることもあり、栄養価の高いしじみが再び注目を集めています。

手軽に調理できるしじみは、味噌汁や炊き込みご飯など、多様な料理に活用できるため、現代の食生活にも取り入れやすい存在となっています。

土用しじみが「腹薬」と呼ばれる理由

しじみは「腹薬」とも言われるほど、健康に良い成分を多く含んでおり、古くから滋養強壮や体調管理に役立つ食材として親しまれてきました。

特に、カルシウム、マグネシウム、鉄分などのミネラル類や、ビタミンB群、オルニチン、タウリンといった成分が豊富に含まれています。

これらの成分は肝機能の向上や疲労回復を促進するだけでなく、免疫力の向上や新陳代謝の活性化にも貢献するとされています。

二日酔いの回復にしじみの味噌汁が良いと言われるのも、このオルニチンやタウリンの働きによるものです。

特にオルニチンは、肝臓の解毒作用を助けると同時に、ストレス軽減や睡眠の質向上にも関与するとされています。

また、ビタミンB12には造血作用があり、貧血予防や体力維持にも効果的です。

さらに、ビタミンB群はエネルギー代謝を促進し、体の疲労回復をサポートする役割を果たします。

しじみを定期的に摂取することで、日々の健康維持や美容にも良い影響を与えると考えられています。

土用しじみと寒しじみの違い

しじみには年に2回の旬があり、7~9月の「土用しじみ」と1~2月の「寒しじみ」に分かれます。

夏に旬を迎える土用しじみは産卵を控えて栄養を多く蓄えており、特にビタミンB群や鉄分が豊富に含まれています。

そのため、滋養強壮に適しており、夏バテ防止や疲労回復に役立つ食材として重宝されています。

また、土用しじみは身がふっくらとしており、噛むほどに甘みが感じられるのが特徴です。

一方、寒しじみは越冬に向けて蓄えた栄養をエネルギーに変換する過程で旨味成分を多く生み出すため、より濃厚な味わいが楽しめます。

特にアミノ酸やコハク酸の含有量が増えることで、しじみ特有の旨味が際立ち、味噌汁や煮込み料理にすると一層深みのある味わいが引き出されます。

また、寒しじみの貝殻は厚みがあり、身が引き締まっているため、調理の際にも型崩れしにくいのが特徴です。

土用しじみを使ったおすすめレシピ

夏の食卓にぴったりな、しじみを使った一品をご紹介します。

しじみの中華風炒め

材料

  • しじみ 500g
  • にんにく 1~2片
  • しょうが 1片
  • 長ねぎ 1本
  • 酒 大さじ3
  • 醤油 大さじ1
  • オイスターソース 大さじ1
  • サラダ油 大さじ1
  • ごま油 小さじ2

作り方

  1. しじみは砂抜きをしておく。にんにく、しょうが、長ねぎはみじん切りにする。
  2. フライパンにサラダ油を熱し、にんにく、しょうが、長ねぎを炒める。
  3. 香りが立ったらしじみを加え、軽く炒めた後に酒を入れて蓋をし、蒸し煮にする。
  4. しじみの殻が開いたら、醤油とオイスターソースを加えて混ぜる。
  5. 最後にごま油を加え、仕上げに長ねぎを散らして完成。

このレシピならしじみの旨味を存分に楽しめる上に、ご飯のおかずにもぴったりです。

まとめ

土用しじみは、夏の土用の期間に食べるしじみを指し、かつては夏バテ予防の定番食材として重宝されていました。

その栄養価の高さから、昔の人々は健康維持のために積極的に取り入れていたと言われています。

しじみはミネラルやアミノ酸が豊富で、特に肝臓をサポートする働きがあることから「腹薬」とも呼ばれます。

肝機能を高めるオルニチンやタウリンが多く含まれており、二日酔いの回復や疲労回復にも効果的とされています。

また、鉄分やビタミンB群も豊富で、貧血予防や免疫力向上にも寄与します。

さらに、しじみには夏に旬を迎える土用しじみと、冬に旬を迎える寒しじみがあり、それぞれの時期に適した味わいが楽しめます。

土用しじみは産卵前の栄養を蓄えた状態で、特に旨味が強く、ふっくらとした食感が特徴です。

一方、寒しじみは越冬のために蓄えたエネルギーが旨味成分へと変化し、より濃厚な風味を楽しむことができます。

このように、栄養たっぷりの土用しじみを活用すれば、夏バテを防ぎながら体力を維持することができます。

味噌汁や炊き込みご飯、炒め物など、多様な料理に取り入れて、暑い夏を元気に乗り切りましょう!

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