避けるべき不運な日とその理由

六曜

私たちの暮らしに密かに根付いている「暦注(れきちゅう)」には、吉日だけでなく数多くの「注意が必要な日」が存在します。

中にはあまり耳慣れないものも多く、知る人ぞ知る日取りの考え方が存在しているのです。

今回は、あまり知られていない不運とされる日々を取り上げ、それぞれの意味や、控えるべき行動について紹介していきます。

ここで取り上げるものはあくまでも一部に過ぎません。

さらに掘り下げていけば、もっとマイナーな「気をつけるべき日」が見つかることでしょう。

気をつけたい日と、その特徴

それでは、日常生活において避けた方がよいとされる代表的な日を見ていきましょう。

それぞれの読み方や意味、注意すべき点、出現する時期についても簡単に説明します。

不成就日(ふじょうずび)

意味:物事が実りにくいとされる、最も慎重を要する日。
避けたい行動:結婚・開業・契約・葬儀など、すべての事柄。

解説
この日は吉日と重なっていてもその良さを打ち消してしまうと言われるほどで、何をしても裏目に出ると考えられています。
カレンダーに載らないことも多いため、意識されにくいですが、選日の中でもとりわけ慎重に扱われる日です。

三隣亡(さんりんぼう)

意味:特に建築に関する行動を避けるべき日。
避けたい行動:新築・増改築・不動産の売買・引っ越し。

解説
「家を建てると火事が起き、隣近所三軒まで災いが及ぶ」との言い伝えがあるほど忌避されており、特に高齢の建築関係者にとっては今でも重要視されている日です。

仏滅(ぶつめつ)

意味:全般的に凶とされる日で、六曜の中でも最も縁起が悪いとされる日。
避けたい行動:祝い事全般(結婚式・契約など)。

解説
「すべてが滅する日」とされており、仏教とは直接関係のない言葉です。
古くから冠婚葬祭の予定を決める際に避けられる日で、「何事も控えめに過ごすべき日」とされています。

受死日(じゅしにち)

意味:あらゆる行動を避けるべきとされる、凶日の中でも特に注意すべき日。
避けたい行動:通院・服薬・旅行・見舞いなど。葬儀を除き全般的に凶。

解説
カレンダーによっては「●」マークで示されることがあり、仏滅以上に不吉とされることもある日です。
行動を慎むことで災いを避けるという考え方があります。

十死日(じゅうしにち)

意味:受死日に次ぐ悪日とされる。
避けたい行動:あらゆる行動(特に葬儀もNGとされる点が特徴)。

解説
多くのカレンダーでは「十し」と書かれており、日常生活のあらゆる活動に向かない日とされています。

帰忌日(きこにち)

意味:外出や帰宅に不都合が生じるとされる日。
避けたい行動:旅行・帰省・金銭のやり取り。

解説
非常にマイナーな日で、古い暦では「帰宅が妨げられる」とされており、遠出を避けることが推奨されています。

血忌日(ちいみにち)

意味:血に関わる行為に注意が必要な日。
避けたい行動:鍼灸・外科処置・屠殺・狩猟。

解説
文字通り「血」に関する事柄がタブーとされる日で、医療行為や猟などは避けられることがあります。

重日(じゅうにち)

意味:行動が重なることで結果が重くなる日。
避けたい行動:他の凶日と重なる行動全般。

解説
他の凶日と組み合わさることでさらに悪い影響を及ぼすとされる日です。
重なる事柄に注意が必要です。

復日(ふくにち)

意味:結果が繰り返されることを意味し、特に婚礼には不向き。
避けたい行動:結婚式などの祝い事。

解説
「繰り返しが起こる」とされる日で、結婚など「繰り返したくないこと」には適さないとされています。

天火日(てんかにち)

意味:天の気が火災を引き起こしやすいとされる日。
避けたい行動:屋根の工事・上棟式。

解説
天の火気が強まるとされるこの日は、建築の中でも火に関わるリスクがある作業を避けた方がよいとされます。

地火日(ぢかにち)

意味:地面に関する作業で火災などの災厄が起こりやすいとされる日。
避けたい行動:基礎工事・井戸掘り・墓の建造など。

解説
地面に火の気があるとされ、地面を動かす作業には不向きとされています。
特に農作業や土木作業には注意が必要です。

大禍日(たいかにち)

意味:あらゆる行動に慎重さが求められる大凶日。
避けたい行動:交渉・修理・船旅・葬送など。

解説
「三箇の悪日」と呼ばれる特に凶とされる日のひとつで、全般的に避けられるべき日です。

狼藉日(ろうしゃくにち)

意味:行動すべてが悪い方向に向かうとされる日。
避けたい行動:全般的な行為。

解説
この日に行ったことは失敗しやすいとされ、昔から極力行動を控える日として扱われてきました。

滅門日(めつもんにち)

意味:家庭や組織が滅びることを連想させる大凶日。
避けたい行動:全般的な活動。

解説
似た名称に「滅日」がありますが、こちらはまったく異なる日です。
特に結婚や新しい事業の開始などには不向きとされています。

凶日とどう向き合うか

こうして見ると、日常生活のあらゆる行為に「適さない日」が多く存在することがわかります。

すべてを厳密に気にしていては、何もできなくなってしまいそうです。

とはいえ、冠婚葬祭などのように日取りが重要視される場面では、こうした知識が役立つこともあります。

重要な節目を迎える際は、参考程度に確認してみるのもよいかもしれません。

まとめ

今回は、あまり知られていない「慎むべき日」に焦点を当て、それぞれの背景や注意点を解説しました。

実際のところ、これらは信じるかどうか次第という面もあります。

日取りにこだわりすぎて行動を制限するより、自分の気持ちを大切にすることの方が重要なのかもしれません。

ただ、「運」に左右されやすい場面では、縁起のよい日を選ぶという考え方も、ひとつの安心材料になるでしょう。

 

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