大切なご家族や友人が入院したと聞けば、一刻も早く駆けつけて励ましたい、と思いますよね。
でも、ふとカレンダーを見ると「仏滅」。
「縁起が悪い日にお見舞いに行くのは、かえって失礼にあたるのでは…?」
そんな風に、お見舞いの日取りで迷った経験はありませんか?
お見舞いは、あなたの「早く良くなってほしい」という温かい気持ちを届ける大切な機会です。
だからこそ、相手に余計な気を遣わせず、心から喜んでもらえるようにしたいもの。
この記事では、お見舞いの日取りの考え方から、意外と知らない服装やお見舞い金のルールまで、「知っておけば安心」のマナーを分かりやすく解説します。
【最重要】お見舞いは「相手の気持ち」がすべての基本
まず、一番大切な心構えをお伝えします。
それは、お見舞いに関するマナーの答えは、すべて「お相手がどう感じるか」にあるということです。
特に日柄の吉凶(縁起の良し悪し)は、世代やその方の考え方によって捉え方が大きく異なります。
- ご高齢の方や、縁起を大切にする方
昔からの慣習を重んじ、「仏滅」などのお見舞いを快く思わない可能性があります。 - 若い世代や、慣習をあまり気にしない方
「日柄よりも、会いに来てくれる気持ちが嬉しい」と感じる方が多いでしょう。
あなたが「迷信だから大丈夫」と思っていても、相手が少しでも気にするそぶりを見せているなら、その気持ちを汲んであげるのが最高の心遣いです。
「六曜」って何?お見舞い日選びのヒント
カレンダーでよく見る「大安」や「仏滅」。
これは「六曜(ろくよう)」といい、その日の吉凶を占うための、いわば「運勢の目印」です。
科学的な根拠はありませんが、古くから冠婚葬祭の日取りを決める際に参考にされてきました。
お相手が日柄を気にする場合に備えて、それぞれの日の意味を知っておきましょう。
できれば避けたい日
- 仏滅(ぶつめつ):
「物事が滅する」とされ、六曜の中で最も縁起が悪い日。
お祝い事はもちろん、お見舞いも避けた方が無難とされる代表的な日です。 - 赤口(しゃっこう/しゃっく):
「赤」が血や火事を連想させるため、お見舞いには不向きとされています。
仏滅に次ぐ凶日です。 - 友引(ともびき):
「友を(冥土へ)引き寄せる」という意味に捉えられるため、お葬式で避けられるのと同様に、お見舞いでも避けるのが一般的です。
「病が長引く」という連想にもつながりかねません。
お見舞いに行くならこの日
- 大安(たいあん):
万事において「吉」とされる最高の日。
ただし、人によっては「病気が長引くことを喜んでいる」とネガティブに受け取る可能性もゼロではないため、相手の性格を考慮しましょう。 - 先負(せんぶ/さきまけ):
「先んずれば即ち負ける」という意味で、急用でなければ午前は凶、午後は吉とされます。
入院中は午前中に検査や処置が入ることが多いため、午後からお見舞いに行くのに縁起・都合の両面でベストな日と言えるでしょう。
どうしても仏滅しか行けない場合は?
もちろん、お互いの都合が仏滅しか合わないこともあります。
その場合は、「仏滅だけど、この日しか都合がつかなくて。
顔を見に来ても大丈夫かな?」と、事前に一言お伺いを立てるのがおすすめです。
その一言があるだけで、あなたの心遣いが伝わります。
服装で失敗しない!お見舞いの基本スタイル
お見舞いは、場所が「病院」であることを意識した服装選びが大切です。
親しい友人や家族の場合
清潔感のある普段着でOKです。
ただし、まるで遊びに行くかのような派手な色柄や、露出の多い服装は避けましょう。
あくまで療養の場にお邪魔するという意識が肝心です。
上司や会社関係者の場合
スーツである必要はありませんが、「きちんと感」を意識した服装を心がけましょう。
- 男性:
襟付きのシャツにチノパン、季節によってはジャケットを羽織るなど、オフィスカジュアルをイメージすると良いでしょう。 - 女性:
上品なブラウスにスカートやパンツ、ワンピースなどがおすすめです。
【共通の注意点】
- 黒一色の服装は避ける:
お葬式を連想させてしまうため、黒いスーツやワンピースはNGです。 - 香水はつけない:
香りの強いものは、体調の優れない方の気分を悪くさせてしまうことがあります。 - 靴音にも配慮を:
特に女性のヒールは、静かな廊下ではカツカツと響き、他の患者さんの迷惑になることも。音のしにくい靴を選びましょう。
お見舞い金、いくら包む?相場とスマートな渡し方
お見舞い金は、あなたの「お大事に」という気持ちを形にしたもの。
相場を知っておくと、相手に余計な負担をかけずに済みます。
【関係性別の相場】
- 友人・知人・会社の同僚:円
- 高額すぎると、相手がお返しの際に恐縮してしまいます。
このくらいの金額が一般的です。
- 高額すぎると、相手がお返しの際に恐縮してしまいます。
- 親戚・身内:円
- 関係性の深さによって変わります。
迷ったときは、他の親族と相談すると安心です。
- 関係性の深さによって変わります。
【知っておきたいお金のマナー】
- 「4」と「9」の数字は避ける:
「死」や「苦」を連想させる忌み数字のため、円や円は包まないのがマナーです。 - 新札は使わない:
あらかじめ不幸を準備していたような印象を与えてしまうため、折り目のついたお札を使いましょう。 - 目上の方へのお見舞い金はNG!:
上司や取引先など、目上の方に現金を渡すのは「相手の生活を心配している」という意味に取られかねず、大変失礼にあたります。
この場合は有志で品物を贈るか、会社のルールを確認しましょう。
まとめ:一番のお見舞いは、あなたの温かい「思いやり」
お見舞いの日取りや服装、お見舞い金など、様々なマナーをご紹介しましたが、これらはすべて、療養中のお相手を不快にさせず、心穏やかに過ごしてほしいという「思いやり」の表れです。
一番のお見舞いは、あなたの「早く元気になってね」という優しい気持ちそのもの。
もし迷うことがあったら、「相手の立場だったらどう思うかな?」と想像してみてください。
その心遣いこそが、何よりの贈り物になるはずです。