還暦とは?赤いちゃんちゃんこの由来を知ろう

長寿

還暦の意味をご存じですか?

還暦は、日本における長寿祝いの中でも特に知られたものの一つです。

最初の大きな長寿祝いとして盛大に行いたいと考える人は多いですが、その本当の意味を理解している人は意外と少ないかもしれません。

ここでは、還暦の本来の意味や、赤いちゃんちゃんこを着る理由について解説します。

還暦の本当の意味

還暦は「本卦還り」とも呼ばれ、中国で生まれた風習です。

奈良時代に日本に伝わり、当初は貴族のみが祝うものでしたが、室町時代の後半から江戸時代にかけて一般にも広まっていきました。

日本には昔から年齢を干支で表す習慣があります。

干支と聞くと十二支を思い浮かべるかもしれませんが、実際には「十干十二支」という60年周期の組み合わせで構成されています。

十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)が組み合わさって、60種類の干支ができるのです。

例えば、2022年は「寅年」と呼ばれますが、正式には「壬寅(みずのえとら)」です。

この組み合わせは60年で一巡し、元の干支に戻ります。

つまり、還暦とは「生まれた年の干支に戻る」という意味を持ち、これが還暦という言葉の由来です。

還暦には「生まれ変わり、新たな人生のスタートを切る」という意味も込められています。

昔は平均寿命が短く、60歳まで生きることは珍しかったため、60歳を迎えることは一つの大きな節目であり、再スタートを切る特別な機会とされていました。

赤いちゃんちゃんこを着る理由

還暦のお祝いで赤いちゃんちゃんこを着る習慣は、「赤ちゃんに戻る」という還暦の象徴的な意味に由来しています。

日本では昔から赤色は魔除けの色とされており、新生児に赤いものを着せることで厄災から守ると考えられていました。

袖のないちゃんちゃんこは、動きやすく着脱が簡単で、赤ちゃんが着るのに適していたため、好まれました。

この風習が還暦祝いにも引き継がれ、赤いちゃんちゃんこを着ることが還暦の象徴となったのです。

還暦祝いは数え年か満年齢か

還暦祝いは、数え年では61歳、満年齢では60歳のときに行います。

これは、還暦が干支の一巡を指し、生まれた年の干支に戻ることを意味するためです。

干支は60年で一巡するので、この年齢が大切にされています。

長寿祝いの中には、70歳や77歳など特定の年齢で祝うものもありますが、数え年と満年齢のどちらを用いるかは特に決まっていません(※)。

ただし、還暦では60年という節目を重視するため、数え年であれば61歳、満年齢であれば60歳でお祝いするのが一般的です。

(※)伝統を大事にする場合は数え年で祝いますが、現在では満年齢を基準に年齢を数える習慣が広がっているため、満年齢でお祝いするケースが増えています。

数え年と満年齢には1年の違いがありますが、特に意識せずに祝う方が多いようです。

還暦祝いに喜ばれるプレゼント

還暦のお祝いに贈るプレゼントを選ぶ際、どんなものが喜ばれるか迷うこともあるでしょう。

以下は人気の贈り物の例です。

花束

花束は贈り物として定番で、喜ばれやすいアイテムです。

還暦のシンボルカラーである赤を基調とした花束、特に赤いバラは特別感がありおすすめです。

食事会

高級レストランや料亭での食事をプレゼントするのも素敵な選択です。

還暦祝い用の特別プランを用意しているホテルもあります。

もっと気軽に祝いたい場合は、好きな料理を準備して自宅でパーティーを開くのも良いでしょう。

旅行

思い出を重視する方には、旅行のプレゼントも人気です。

家族みんなで行く旅行や、夫婦で楽しめる温泉旅行などが好まれます。

食べ物や飲み物

贅沢な和菓子や洋菓子の詰め合わせもおすすめです。

お酒好きの方には、日本酒やワインなどのプレゼントも良いでしょう。

食器や箸

美しい食器や箸も還暦祝いに適した贈り物です。

お酒を楽しむ方には湯呑やワイングラスを、コーヒー好きの方には特別なコーヒーカップを贈ると喜ばれるでしょう。

還暦祝いのメッセージ例

還暦のお祝いには、普段はなかなか伝えられない感謝の気持ちをメッセージに込めてみましょう。

ここでは、還暦を祝う際に贈るメッセージの例をご紹介します。

両親へのメッセージ

「お父さん、還暦と定年、本当におめでとう。
これまで家族のためにたくさん頑張ってくれてありがとう。
これからは趣味のゴルフを思う存分楽しんで、自分の時間をゆったり過ごしてね。」
「お母さん、還暦おめでとうございます。
今日から新しい人生のスタートですね。
これからも毎日を幸せに過ごせるように、私も全力でサポートしていきます。」

祖父母へのメッセージ

「おじいちゃんへ 
いつも頼りになるおじいちゃんは、僕にとって自慢です。
これからもいろいろな話をたくさん聞かせてください。」
「おばあちゃんへ 
いつも優しくて元気いっぱいのおばあちゃんが大好きです。
これからも長生きして、一緒にたくさん楽しい時間を過ごしましょうね。」

上司や恩師へのメッセージ

「還暦を迎えられたことを心よりお祝い申し上げます。
これからも元気にさらなるご活躍をお祈りしております。」
「〇〇先生、いつも若々しく見えますので、還暦を迎えられたとは思えません。
新たなステージでのさらなるご発展をお祈りしております。」

還暦祝いのマナー

還暦を祝う際には、いくつかのマナーに気を付けることが必要です。

以下に注意すべきポイントをまとめました。

本人の意向を尊重する

昔は、60歳は退職や子どもの独立を迎える年齢で、高齢者として扱われることが一般的でした。

しかし現代では、多くの60歳がまだ現役として活躍しています。

そのため、高齢者扱いされることを嫌がる方も増えており、還暦祝いを控えてほしいと考える人もいます。

お祝いを企画する前には、必ず本人の意向を確認することが大切です。

老化を連想させる贈り物は避ける

還暦祝いでは、老眼鏡や杖のような加齢を連想させるアイテムは避けましょう。

若々しさを感じさせる贈り物を選ぶことがポイントです。

まとめ

還暦は、干支が一巡し生まれ年に戻る節目を意味し、「人生を赤ちゃんに戻して新たに始める」という象徴的な意味を持っています。

かつては長寿の象徴として祝われていましたが、現代では若々しい60代が増え、還暦祝いを望まない方も少なくありません。

お祝いをする際には、還暦を迎える方の気持ちを尊重することが大切です。

 

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