お見舞い、先負は避けるべき?【永久保存版】お日柄の意味と心遣いの完全マナーガイド

六曜

大切なご家族やご友人の入院の知らせ。

その一報に胸がざわつき、「一刻も早く駆けつけて顔を見たい、励ましたい」と願うのは、ごく自然な感情です。

しかし、そんな時だからこそ、私たちの行動一つひとつが、相手の心と体に大きく影響します。

特に、入院で心細い思いをされている方や、そのご家族への配慮として、古くから大切にされてきたのが「お日柄」です。

「科学的根拠はないとわかっていても、やはり『縁起』は気になるもの…」
「先負(せんぶ・さきまけ)の日にお見舞いなんて、失礼にあたらないだろうか?」

そんなあなたの優しさと不安に寄り添い、今回は六曜(ろくよう)とお見舞いの関係を徹底解説。

さらに、お日柄以上に重要な心遣いのマナーまで、網羅的にご紹介します。

この記事を読めば、あなたの「お大事に」という気持ちが、最高の形で伝わるはずです。

そもそも「六曜」って何?日本の暦に根付く6つの”お日柄”

まず基本として、「六曜」について簡単におさらいしましょう。

六曜は、中国から伝わった思想を元に日本で発展した、その日の吉凶を占う指標です。

カレンダーに小さく書かれているのを見たことがある方も多いでしょう。

以下の6種類が、毎日順番に繰り返されています。

  • 大安(たいあん):
    万事において大吉。
    一日中良い日。
  • 友引(ともびき):
    朝晩は吉、昼は凶。
    良くも悪くも「友を引く」日。
  • 先勝(せんしょう):
    「先んずれば即ち勝つ」。
    午前が吉、午後が凶。
  • 先負(せんぷ):
    「先んずれば即ち負け」。
    午前が凶、午後が吉。
  • 赤口(しゃっこう):
    昼のみ吉。
    血や火事を連想させ、お祝い事は避ける。
  • 仏滅(ぶつめつ):
    万事において凶。
    一日中悪い日。

この6つのリズムを知ることが、お見舞いの日取りを考える第一歩です。

【結論】先負のお見舞いは「午後の訪問」で心穏やかに

さて、本題の「先負」です。

結論から言えば、先負の日のお見舞いは、午後を選べば全く問題ありません。

むしろ、理にかなった選択とさえ言えます。

先負のキーワードは「平静」

「先んずれば、すなわち負け」という意味を持つこの日は、慌てて行動したり、焦って物事を進めたりするのは良くないとされています。

運気の流れも、午前中の「凶」から午後の「吉」へと、穏やかに好転していきます。

この「午後に落ち着いて行動するのが良い」という性質が、お見舞いと非常に相性が良いのです。

医療現場の視点でも「午後」がベストタイミング

実は縁起とは別に、医療現場の都合を考えてもお見舞いは「午後」が最適です。

多くの病院では、午前中に検査、治療、医師の回診などが集中しています。

患者さん自身も心身ともに慌ただしく、落ち着かない時間帯です。

そんな中にお見舞いに訪れるのは、かえって相手の負担になりかねません。

その点、「午後からが吉」とされる先負は、相手のペースを尊重し、穏やかな時間にお見舞いをするのにぴったりの日と言えるでしょう。

お見舞い日取りカレンダー【六曜別 OK・NG早見表】

先負以外の日についてはどうでしょうか?

お見舞いに適した日、できれば避けたい日をまとめました。

お見舞いに適した日

  • 大安(たいあん)
    「大いに安し」の意味で、終日万事大吉。
    もちろんお見舞いにも適しています。
    ただし、一部には「病気で苦しんでいるのに、縁起が良すぎるのは…」と複雑に感じる方もいるかもしれません。
    相手の性格を考慮して選びましょう。
  • 先勝(せんしょう/さきがち)
    「先んずれば即ち勝つ」の日で、午前中が吉。
    もし訪問するなら早い時間が良いとされますが、前述の通り病院の都合も考慮する必要があります。
    午前の面会が可能で、相手の負担にならない時間帯であれば問題ありません。

できれば避けたい日

  • 友引(ともびき)
    元々は「共引」と書き、勝負がつかない引き分けの日でした。
    しかし「友引」の字面から、お祝い事では「幸せを友に引き寄せる」と喜ばれる一方、お悔やみ事では「友を冥土へ引く」とされ、強く避けられます。
    お見舞いでも「病気に友を引き込む」と連想されがちなので、避けた方が無難です。
  • 赤口(しゃっこう/しゃっく)
    陰陽道の「赤舌神(しゃくぜつしん)」という鬼神が支配する凶日。
    「赤」が血や火事を連想させるため、お見舞いやお祝いには不向きです。
    正午(午前11時~午後1時頃)だけは吉ですが、食事の時間と重なるため、訪問は現実的ではありません。
  • 仏滅(ぶつめつ)
    「仏も滅するほどの大凶日」。
    何をするにも良くないとされ、お祝い事を避けるのと同様に、お見舞いのようなデリケートな訪問も控えるのが一般的です。

【超重要】お日柄以上に大切!心遣いが伝わるお見舞い完全マナー

六曜はあくまで心遣いの一つ。

これからお伝えするマナーこそが、あなたの思いやりを形にする最も大切な要素です。

【訪問前の心得】アポイントが成功の9割

  • 誰に、いつ連絡する?
    まずは本人やご家族に連絡し、お見舞いに行っても良いか必ず確認を。
    入院直後や手術前後は避け、少し落ち着いたタイミングを見計らいましょう。
    親しい友人なら直接、会社の上司や同僚ならご家族や総務部経由で確認するのがスムーズです。
  • 確認事項リスト
    連絡の際は、以下の5点を必ず確認しましょう。

    1. そもそもお見舞いに行っても良いか?
    2. 都合の良い曜日や時間帯は?
    3. 病院の面会時間は?(ホームページでも確認を)
    4. 食事制限の有無は?
    5. 何か必要なもの、リクエストはあるか?

【当日の身だしなみ】ファッションは「思いやり」の表れ

  • NGカラー&スタイル:
    お葬式を連想させる「黒一色」や、血を連想させる「真っ赤」はNG。
    派手な柄、露出の多い服、ジャラジャラ音のするアクセサリーも避けましょう。
  • OKスタイル:
    清潔感が何より大切です。
    白やベージュ、パステルカラーなど、顔色が明るく見える柔らかな色の服がおすすめです。
  • 足元と香り:
    静かな院内で音が響くヒールは厳禁。
    スニーカーやフラットシューズを選びましょう。
    また、香水は絶対につけないでください。
    匂いに敏感になっている方も多くいます。

【手土産の選び方】「わかってるね!」と喜ばれるセンス

  • タブーな品物
    • 花:
      菊、シクラメン、椿(花が首から落ちる)、アジサイ(色が褪せる)、香りの強いユリ、赤い花はNG。
      「根付く=寝付く」を連想させる鉢植えも絶対に避けましょう。
    • 食べ物:
      食事制限がある場合が多いので、必ず確認してから。
      ケーキなど切り分ける必要があるものも、手間をかけるので避けましょう。
  • 喜ばれる品物リスト
    • 暇つぶしグッズ:
      雑誌、マンガ、クロスワード、大人向けの塗り絵、テレビカード、イヤホン(同室者に気兼ねなく楽しめる)
    • 実用品:
      肌触りの良いひざ掛けや靴下、蓋つきのタンブラー、S字フック、ノンカフェインのハーブティー、香りのないウェットティッシュ
    • お見舞い金:
      新札は「不幸を予期していた」という意味になるのでNG
      少し折り目のついたお札を用意しましょう。

【会話と行動】心地よい時間を作るために

  • NGな話題:
    病状をしつこく聞く、他の人の病気や不幸話、仕事の心配をさせる話は絶対にやめましょう。
    「大変だね」「つらいね」といった同情の言葉も、かえって相手を落ち込ませることがあります。
  • OKな話題:
    相手の好きな趣味の話、面白いテレビ番組の話、退院したら一緒にしたいことなど、明るく前向きになれる話題を選びましょう。
  • 滞在時間と人数:
    訪問は2〜3人の少人数で。
    滞在時間は15〜30分程度を目安に、相手が疲れている様子なら早めに切り上げましょう。
    長居は禁物です。
  • もし相手が寝ていたら:
    絶対に起こさず、静かに退室を。
    「お大事に」と書いたメッセージカードを品物に添えてナースステーションに預ければ、あなたの心遣いは十分に伝わります。

まとめ:最高の形で「お大事に」の気持ちを伝えよう

先負のお見舞いは、午後を選べば縁起もタイミングも最適です。

しかし、六曜の知識は、あくまで相手を思う気持ちを表現するための一つのツールに過ぎません。

何よりも大切なのは、ルールに縛られることではなく、病と闘う方の心と体に、深く寄り添う姿勢です。

この記事が、あなたの温かい気持ちを最高の形で届けるための、信頼できる羅針盤となれば幸いです。

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