卒寿祝いの熨斗の正しい書き方と表書き、水引きの選び方

長寿

卒寿のお祝いで熨斗(のし)の書き方に迷う方は少なくありません。

熨斗にはさまざまな表書きや水引きの種類があり、特に卒寿祝いの際にはどれを選ぶべきか悩むことも多いでしょう。

この記事では、卒寿祝いにふさわしい熨斗の書き方や表書き、水引きの選び方についてご紹介します。

卒寿祝いにおける熨斗の基本的な書き方

卒寿祝いの際は、熨斗に贈る内容と贈り主の名前をしっかり記載することが大切です。

熨斗をつけることで、贈り物がどのような目的のものであるか、また誰からの贈り物かが一目でわかるようになります。

文字を書くときには、毛筆または筆ペンを使用するのがマナーです。

ボールペンや鉛筆、シャープペンシルで書くことは避けるようにしましょう。

筆を使用する際は、濃い墨で力強く書くように心がけてください。

これは、贈り物が丁寧に準備されたものであり、相手に対する敬意が込められていることを表すためです。

熨斗と水引きの基本知識

「熨斗」とは、贈り物にかける白い紙の右上にある飾り部分を指します。

お中元やお歳暮などでよく目にすることがあるかもしれませんが、元々はこの飾り自体を「熨斗」と呼んでいました。

しかし、現在では一般的に熨斗と水引きが印刷されたもの全体を「熨斗紙」と呼ぶことが多くなっています。

熨斗紙は手軽に贈り物に使えるため便利ですが、場合によっては簡素に感じられ、相手によっては失礼にあたることもあります。

そのため、贈り相手や状況をよく考慮して使用することが重要です。

卒寿祝いにおすすめの表書きと水引き

卒寿祝いの熨斗に使う表書きとしては、「祝卒寿」や「寿福」などが一般的です。

水引きは紅白の5本または7本の蝶結びが適しています。

蝶結びには、何度でも喜びが繰り返し訪れるようにという願いが込められています。

卒寿祝いの熨斗の書き方と表書き

卒寿祝いにおいて、熨斗の表書きはとても重要です。

これは「どのようなお祝いなのか」を示すもので、熨斗紙の中央上部、水引きの上側に書きます。

卒寿祝いの表書きとしては、「祝卒寿」「卒寿御祝」「寿卒寿」「御卒寿祝」などが適切です。

あるいは、シンプルに「寿」や「御祝」と書くことも可能です。

これにより、贈り物が卒寿のお祝いであることが一目でわかります。

水引きの下側、中央には贈り主の名前を記入します。

1人で贈る場合はフルネームを書き、表書きよりもやや小さめの文字で書くのが一般的です。

複数名で贈る卒寿祝いの熨斗の書き方

複数人で卒寿祝いを贈る場合、名前の書き方が異なります。

夫婦など2人で贈る場合は、代表者(夫なら夫)のフルネームを記入し、その横にもう一人(妻)の名前を記載します。

3名以上で贈る際には、代表者の名前を書き、その隣に「他親族一同」や「他家族一同」「他有志一同」と記載します。

例えば、クラスメート全員で恩師に贈る際には、代表者の名前を省略して「有志一同」とすることも可能です。

卒寿祝いにふさわしい水引きの選び方

卒寿祝いに使う熨斗の水引きには、いくつか種類がありますが、適切なものを選ぶことが大切です。

ここでは、卒寿祝いに最適な水引きと、代表的な水引きの種類についてご紹介します。

蝶結び(花結び)

蝶結び(または花結び)は、結び目が簡単に解けることから、何度でも繰り返し祝う場面に使われます。

卒寿自体は人生で一度のお祝いですが、米寿や喜寿など、長寿を祝う機会が何度もあるため、繰り返し祝えるという意味で、蝶結びが卒寿祝いにふさわしいとされています。

結び切り

結び切りは、一度結んだら二度と解けないことを象徴しており、結婚や快気祝いなど「一度きりが良い」とされるお祝いに用います。

そのため、卒寿祝いではあまり使われません。

あわじ結び

あわじ結びは、結び切りの一種で、結び目を引っ張ることで固く締まり、解けなくなる特性があります。

これにより「末永く続く」という意味が込められており、結婚祝いなどに適していますが、卒寿祝いでは一般的に使用されません。

卒寿祝いの内祝いに熨斗をつけるべきか?

卒寿祝いの内祝いを贈る際には、熨斗をつけるのが一般的です。

もともと内祝いは、結婚や出産などのお祝いを受けた当人が、感謝の気持ちを込めて親戚や友人に贈り物をする風習から始まったとされています。

返礼のためというよりも、日ごろの感謝を示すもので、必ずしも返す必要がなかったと言われています。

しかし、時代の変化に伴い、現在では内祝いが「お祝いのお返し」としての意味を強く持つようになっています。

特に親族以外の方からお祝いをいただいた場合は、内祝いを返すのがマナーとされています。

内祝いの熨斗の表書きとしては、「卒寿内祝」「内祝」「寿」などがふさわしいでしょう。

もし贈り先が喪中の場合は、「御礼」として送るのが配慮ある対応です。

贈り主として記載するのは、卒寿を迎えた方の名前になります。

卒寿祝いに喜ばれる贈り物

卒寿祝いで特に喜ばれるのは、家族や親しい人たちとの食事会です。

90歳のお祝いでは、物品よりも、家族や友人との楽しい時間を共に過ごすことが一番の贈り物と感じる方が多いようです。

また、手紙やメッセージカード、花束なども、卒寿祝いのプレゼントとして人気があります。

何を贈ればよいか悩んだ場合は、卒寿を迎える方の好きな食べ物を用意し、子供や孫、ひ孫たちと昔話に花を咲かせる機会を作るのが良いでしょう。

さらに、思い出のアルバムを作るといった贈り物も、感動を与えるアイデアです。

まとめ

卒寿祝いの熨斗には、蝶結び(または花結び)の水引きを使用し、表書きには「祝卒寿」や「卒寿御祝」と記入します。

名前は水引きの下に小さく記載し、3名以上で贈る場合は代表者の名前と「他家族一同」などと書き添えるのが適切です。

本来、卒寿祝いの内祝いは必要ないとされていますが、特に身内以外からお祝いをいただいた場合は、お返しをするのがマナーです。

 

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