還暦祝いにふさわしい熨斗の書き方について知りたい方も多いかと思います。
どんな表書きにすればよいか、水引きの選び方に悩むこともありますよね。
そこで、当日困らないように、還暦祝いに適した熨斗の書き方やマナーについて詳しくご説明します。
還暦祝いでの熨斗の基本的な書き方
還暦祝いの贈り物を包む際は、熨斗紙や熨斗袋に包むのが一般的です。
また、贈り主や贈る目的が伝わるよう、「誰から」「どのような目的で」の記載を添えると、相手への気持ちがよりしっかり伝わります。
熨斗紙や熨斗袋の文字は毛筆や筆ペンで書き、ボールペンや万年筆は避けましょう。
また、濃くはっきりとした墨を使うのが一般的で、万が一書き損じた場合は修正せず、新しい紙に書き直すのが正式なマナーです。
※通常「熨斗」といえば、白い紙に飾りや紐が付いたものや印刷されたものを指しますが、実際には右上の飾りのみが「熨斗」となり、飾りと水引きが揃ったものではありません。
そのため、還暦祝いには「飾りの熨斗が付いた紙と水引き」を添えることが正式とされています。
お店で「熨斗をお付けしますか?」と聞かれる際、デパート等で使用される熨斗紙は簡易印刷の場合が多いですが、通常の贈り物には問題ありません。
ただし、相手によっては正式なものが望ましい場合もありますので、ご注意ください。
還暦祝いの熨斗に記載する表書き
還暦祝いの熨斗(ここでは熨斗紙)には、表書きとして「お祝いの内容」を記します。
ここで、表書きのポイントを紹介します。
上段には「お祝いの内容」を書く
還暦祝いには「祝還暦」「還暦御祝」「寿還暦」などの言葉を使い、水引きの上中央に書き入れます。
お祝いの気持ちがより伝わりやすくなります。
下段には「贈り主の名前」を書く
熨斗紙には贈り主の名前もフルネームで記載するのが一般的です。
表書きよりやや小さな文字で、水引きの下中央に書き入れます。
複数人で贈る場合の名前の書き方
還暦祝いを複数人で贈る場合、3名までなら全員の名前を記入するのが一般的です。
夫婦で贈る場合は、夫の名前を中央に書き、妻の名前を左隣に記入します。
また、夫の名前が表書きの真下にくるように配置すると、見た目のバランスも良くなります。
職場から贈る場合は、役職や年齢の高い方から順に並べ、特に順序がない場合は五十音順で記載します。
4名以上になる場合は、代表者の名前を記入し、左隣に「他一同」や「有志一同」などの言葉を添えます。
還暦祝いにふさわしい水引きの種類
還暦祝いの熨斗には、用途に応じた水引きを添えるのが一般的です。
お祝いの内容に合わせた水引きを選ぶことで、より丁寧な気持ちを表せます。
蝶結び(花結び)
蝶結びは結び目が解けて再び結べることから、「何度でも繰り返して嬉しいこと」に用いられます。
還暦祝いも長寿の節目を祝うものですので、次の古希や喜寿のお祝いにつながる願いを込め、蝶結びが多く使われます。
結び切り
結び切りは結び目が固くほどけないため、「一度きりが望ましい」結婚祝いや快気祝いに適しています。
あわじ結び
あわじ結びは結び切りの一種で、端を引くと結び目がさらに強固になるため、特に結婚祝いなどの絆を深める場面にふさわしいとされています。
還暦祝いのお返しに熨斗は必要?
還暦祝いへのお返しには、礼儀として熨斗をつけるのが一般的です。
表書きには「内祝」「還暦内祝」または「寿」と記載し、贈り主のフルネームを入れましょう。
相手が喪中の場合は「御礼」にすると配慮が行き届いた印象を与えます。
親族や家族が還暦のお祝いをしてくれた場合、お返しは不要とされていますが、感謝の気持ちを伝えたい時は食事会などを開いて気持ちを表すのも良いでしょう。
一方、親族以外からお祝いをいただいた場合は、内祝いとしてお返しをするのが一般的です。
もともと内祝いは、喜び事を分かち合う目的で贈られていたものですが、現在はお祝いを頂いた方へのお返しの意味が強くなっています。
身内であっても、感謝の気持ちを示したい場合は内祝いを贈っても問題ありません。
還暦祝いのプレゼントとして喜ばれるものは?
最近では、60歳を迎えても現役で活躍する方が多く、特別に欲しいものが少ないことも。
物よりも、家族との思い出を作るような食事や旅行が人気のプレゼントです。
例えば、温泉旅館での宿泊プレゼントは、忙しい毎日を過ごすお父さんやお母さんへの還暦祝いとして喜ばれます。
家族全員での宿泊は費用がかさむため、予算に合わせて夫婦水入らずの旅行を贈るのも良いアイデアです。
また、かつて訪れた思い出の場所の旅行券を贈るのも素敵ですね。
品物を贈るなら、還暦のテーマカラーである赤を取り入れた花束も人気です。
その他、ワインや日本酒などの嗜好品や和洋菓子の詰め合わせも良いですが、特別感を演出するために、いつもより少し上質なブランド品を選ぶと良いでしょう。
まとめ
還暦祝いでの熨斗のマナーについてご紹介しました。
熨斗は、実際には紙の右上にある飾りを指し、熨斗を添える際には熨斗飾りに加えて、水引きと包み紙も合わせるのが正式なスタイルです。
還暦祝いには、何度でも結び直しができる蝶結び(花結び)を用いるのが適しています。
表書きには「祝還暦」や「寿」などの言葉を記し、贈り主のフルネームも忘れずに記入しましょう。