「結婚式の日取り、どうしよう?」
「この日にお祝いを渡しても大丈夫かな?」
カレンダーに書かれた「大安」や「仏滅」は有名ですが、「友引(ともびき)」や「先負(せんぶ、さきまけ)」と聞くと、「これって良い日?それとも避けるべき?」と迷ってしまうことはありませんか?
実は、これらの言葉は「六曜(ろくよう)」と呼ばれる、昔ながらの日の吉凶を占う考え方の一つ。
知っておくと、日々の暮らしのちょっとした判断に役立つかもしれません。
この記事では、特に混同しやすい「友引」と「先負」にスポットを当て、どちらがより縁起が良いのか、そしてそれぞれの日に適した行動や避けるべきことについて、スッキリ解説します!
そもそも「六曜」って?「友引」と「先負」の位置づけは?
まずは基本のキ。
「六曜」とは、暦に記される注記の一つで、大安(たいあん)・友引(ともびき)・先勝(せんしょう/さきがち)・先負(せんぶ/さきまけ)・赤口(しゃっこう/しゃっく)・仏滅(ぶつめつ)の6種類があります。
これらが順番に巡ってくることで、その日の運勢を示唆するとされています。
一般的に、縁起が良いとされる順番は以下の通りです。
- 大安:万事大吉!何をするにも良い日。
- 友引:大安に次ぐ吉日。ただし、時間帯に注意。
- 先勝:午前が吉、午後は凶。「先んずれば即ち勝つ」
- 先負:午前が凶、午後は吉。「先んずれば即ち負ける」
- 赤口:お昼(午前11時~午後1時頃)のみ吉。火の元や刃物に注意。
- 仏滅:万事凶。お祝い事は避ける傾向。
この順番を見ると、「友引」と「先負」を比べた場合、「友引」の方が縁起が良いとされています。
ただし、ちょっと待って!時間帯で運気が変わるってホント?
六曜の面白いところは、大安(一日中ずっと良い)と仏滅(一日中ずっと良くない)を除いて、一日のうちで運気が変わるとされる点です。
- 友引:
基本的には良い日ですが、お昼の時間帯(午前11時~午後1時頃)だけは「凶」とされています。
それ以外の朝と夕方は吉、特に夕方は大吉という説も。
まるで、お昼休憩は運気も一休み、といったイメージでしょうか。 - 先負:
「先んずれば即ち負ける」の名前の通り、午前中は事を起こすのに不向きで「凶」。
しかし、午後からは運気が好転し「吉」となります。
慌てず、じっくり構えるのが吉、ということですね。
結局、「友引」と「先負」、どっちがラッキーなの?二つの考え方
さて、ここで少しややこしい問題が。
「友引のお昼(凶の時間帯)」と「先負の午後(吉の時間帯)」、どっちが良いの?という疑問です。
これには、大きく分けて二つの考え方があります。
-
「その日全体の運気」を重視する考え方
この考え方では、友引が持つ「吉日」という基本ステータスは揺るがない、と捉えます。
もし、大安を100点のラッキーデー、仏滅を0点とすると、友引は80点くらい、先負は40点くらいとイメージしてみましょう。
友引のお昼が「凶」と言っても、それはマイナス10点程度で、まだ70点。一方、先負の午後が「吉」になっても、元々の40点にプラス10点で50点。この場合、やはり友引の方がラッキーだと言えますね。 -
「時間帯の変化」をより重視する考え方
こちらは、時間帯による運気のアップダウンをより大きく捉える考え方です。
先ほどの点数で言えば、友引のお昼の「凶」がマイナス30点や50点といった大きな影響力を持つとします。
すると、友引は80点から一気に30点や50点にダウン。
逆に、先負の午後の「吉」がプラス50点となれば、40点から90点に大逆転!
この場合は、特定の時間帯においては先負の方が縁起が良いことになります。
どちらが正しい、というわけではありません。
六曜の解釈は、人や地域、何を大切にしたいかによって変わってきます。
ご自身の感覚や、周りの方々の考え方を参考に、柔軟に捉えるのが良いでしょう。
「友引」と「先負」、それぞれ何をするのが良い?避けるべきことは?
それぞれの日の意味合いを知ると、何をするのが良くて、何を避けるべきかが見えてきます。
【友引】「幸せのおすそ分け」と「勝負なし」の日
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意味:
「友を引く」という字面から、「良いことも悪いことも友を引き寄せる」と解釈されることが多いです。
また、「勝負なき日」とも言われ、何事も引き分けに終わる日ともされています。 -
友引にやって良いことリスト
- 結婚式、入籍、内祝いや招待状の送付:
幸せを友に引き寄せる、おすそ分けするという意味で吉。 - お祝い事全般(出産祝いなど):
喜びを分かち合うのに最適。 - 引っ越し、大きな買い物、開業:
新しいスタートにも。 - お通夜、法事:
お葬式と混同されがちですが、これらは友引でも問題ないとされています。 - お寺や神社への参拝
- 結婚式、入籍、内祝いや招待状の送付:
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友引に避けるべきことリスト
- お葬式:
「友を冥土へ引き込む」という連想から避けられる最大の俗信です。
このため、友引を休業日にしている火葬場や葬儀社も多くあります。
ただし、これは仏教の教えとは関係ないため、気にするかどうかは人によります。
近年は友引でもお葬式を行うケースも増えています。 - 納車:
「友を轢く」という語呂合わせから縁起が悪いと考える人も。 - お見舞い:
「勝負なし」から「病気が長引く、引き分けになる」と解釈する人もいるため、相手が気にしないか確認するのが無難です。
- お葬式:
【先負】「急がば回れ」「平穏に過ごす」日
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意味:
「先んずれば即ち負ける」の言葉通り、急いだり、争い事をしたりするのは良くないとされています。
何事も控えめに、平穏に過ごすのが吉とされる日です。
午前中は凶、午後は吉と運気が変わるのが特徴。 -
先負にやって良いことリスト(特に午後に)
- 結婚式、入籍、内祝いや招待状の送付:
午後の吉の時間帯を選べば問題なし。 - 引っ越し、大きな買い物、開業:
午後のスタートが良いでしょう。 - お通夜、法事、お葬式:
友引のような強いタブーはありません。 - 納車:
急がず、午後にゆっくりと。 - お寺や神社への参拝
- お見舞い:
午後の穏やかな時間帯に。
- 結婚式、入籍、内祝いや招待状の送付:
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先負に避けるべきことリスト
- 賭け事、勝負事全般:
「先んずれば負ける」日なので、宝くじの購入や勝負事は避けた方が無難とされています。 - 急ぎの用事、重要な契約(特に午前中):
慌てて行動すると裏目に出やすいかもしれません。
- 賭け事、勝負事全般:
まとめ:六曜は暮らしの知恵。上手に取り入れて、心地よい毎日を。
「友引」と「先負」、どちらが良い日か、どんな過ごし方が向いているか、見えてきましたか?
- 基本的には友引の方が吉日とされています。
- ただし、時間帯によって運気が変わる点に注意が必要です。
- 「友引」は幸せのおすそ分けに良い日ですが、お葬式は避ける風習があります。
- 「先負」は慌てず、午後に活動するのが吉。勝負事は控えめに。
六曜の考え方は、地域や個人の価値観によって解釈が異なることも多く、絶対的なルールではありません。
「今日は友引だから、お祝い事をしようかな」「先負の午前中は、ゆっくり過ごそう」といったように、日々の暮らしのちょっとしたスパイスとして、上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
最終的には、あなた自身がどう感じるかが一番大切です。
六曜の知識をヒントに、より納得のいく選択をして、心地よい毎日をお過ごしくださいね。