赤ちゃんのご誕生、誠におめでとうございます!
泣き声に、笑顔に、小さな寝息に、一喜一憂しながらも、愛おしい我が子との新しい生活がスタートしたことでしょう。
さて、産後の慌ただしさが少し落ち着いた頃、多くのパパママが考え始めるのが、赤ちゃんが生まれて初めて迎える大きなイベント「お宮参り」です。
これは、赤ちゃんが生まれた土地の神様である「産土神(うぶすながみ)」様に、無事に誕生したことを報告・感謝し、これからの健やかな成長を見守ってくださるようお願いする、大切な人生儀礼です。
でも、いざ準備を始めると、多くのご家族が「日取り」の壁にぶつかります。
「やっぱり大安に行くべきなのかな?」
「友引って、お祝い事に良いんだっけ?」
「家族の予定が合うのが仏滅なんだけど、さすがに避けるべき…?」
そんな、お宮参りの日取りに関するあらゆる疑問や不安に、この記事がスッキリお答えします!
準備の段取りから周囲への気配りまで、これを読めばすべてが分かる完全ガイドです。
【結論】お日柄よりも大切な「たった一つ」のこと
さっそく結論からお伝えします。
お宮参りの日程で最も大切なのは、六曜などの「お日柄」よりも「赤ちゃんとママの体調」です。
お宮参りは、あくまで赤ちゃんの誕生を神様に感謝し、これからの健やかな成長を願うための行事。
その主役である赤ちゃんと、出産という大仕事を終えたばかりのママが、心身ともに健やかでいることが何よりも優先されます。
例えば、暦の上では最高の日でも、
- うだるような暑さの真夏日や、凍えるような極寒の日
- ママの体調がまだ万全でなく、少しでも不安がある時
- 赤ちゃんの機嫌が優れず、ぐずってしまう日
こんな日に無理をしてお参りをして、かえって体調を崩してしまっては本末転倒ですよね。
お宮参りは「生後1ヶ月頃に」と言われますが、これもあくまで昔からの目安。
現代では、過ごしやすい春や秋まで待ったり、家族みんなが心から笑顔で過ごせる日を選んだり、柔軟に考えて全く問題ありません。
神様もきっと、その方が喜んでくださるはずです。
【知識編】気になる「六曜」、お宮参りとの本当の関係
そうは言っても、やはり気になるのが「六曜(ろくよう)」。
カレンダーに書かれているのを見ると、意識せずにはいられないもの。
まずは、六曜とお宮参りの関係を正しく知っておきましょう。
実は…神社の行事と六曜は関係ありません!
驚かれるかもしれませんが、神社で執り行われる神事(神道)と、もともと中国で時刻の吉凶を占うために使われていた考え方が由来とされる六曜は、本来まったくの別物です。
そのため、神社側が「大安でないとお参りできません」「仏滅はマナー違反です」などと言うことは一切ありません。
どうぞ安心してください。
ただ、特にご両親や祖父母の世代にとっては「お祝い事は大安吉日に」という考えが深く根付いていることも事実。
家族みんなが気持ちよくお祝いするための「コミュニケーションツール」の一つとして、それぞれの日の意味を知っておくと、話し合いもスムーズに進むでしょう。
知っておくと安心!六曜の意味をポジティブ解説
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大安(たいあん)
言わずと知れた「一日中、万事において吉」とされるラッキーデー。
もちろんお宮参りにも最適ですが、その分、神社が混雑したり、写真館や食事会の予約が取りにくかったりすることも。
早めの計画が吉です。 -
友引(ともびき)
「幸せを友に引き寄せる」という意味で、実はお祝い事にピッタリの日。
「共引」という字が元で、勝負がつかない日とされていました。
お葬式を避ける日というイメージが強いですが、それは陰陽道の「友引日(特定の方向へ行くと友に災いが及ぶとされた日)」と混同され、「友を(あの世へ)引く」と連想されるようになったため。
お祝い事では、逆に「幸せのおすそ分け」と考えられ、大安に次ぐ吉日とされています。
【ワンポイント】
お昼の時間帯(11時~13時頃)だけは「凶」とされています。
午前中にご祈祷を済ませ、午後はゆっくり過ごすなど、計画を立てやすい日とも言えます。 -
先勝(せんしょう/さきがち)
「先んずれば即ち勝つ」という意味で、午前中が吉、午後が凶とされます。
「午前中に用事を済ませて、午後は家でゆっくりお祝いしたい」というご家庭にはぴったりの日です。 -
先負(せんぶ/さきまけ)
「先んずれば即ち負ける」という意味で、先勝とは逆に午前が凶、午後が吉。
「朝はバタバタしがちなので、午後からゆとりをもって準備してお参りしたい」という場合に良いでしょう。 -
赤口(しゃっこう/しゃっく)
お昼の時間帯(正午を挟む11時~13時頃)のみが吉で、それ以外は凶とされる日。
また、「赤」という字から火や血といった災いを連想させるため、お祝い事では避けられる傾向にあります。
もしこの日を選ぶなら、お昼時のご祈祷を狙うのが良いでしょう。 -
仏滅(ぶつめつ)
「物が滅びる日」として最も縁起が悪いとされがちですが、実は「一度すべてがリセットされ、新しく物事を始めるのに良い日」というポジティブな解釈も存在します。
古いものが終わり、新しいことが始まる…まさに赤ちゃんの輝かしい人生のスタートを願う日として、あえて仏滅を選ぶご家庭もあるんですよ。
神社が空いているというメリットもあります。
【実践編】いつ行く?何を着る?お宮参り準備の完全ダンドリ
ここからは、具体的な準備の進め方を見ていきましょう。
時期を決める ~季節ごとのポイント~
前述の通り「生後1ヶ月頃」にこだわる必要はありません。
赤ちゃんの成長や季節に合わせて、最適な時期を選びましょう。
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生後1ヶ月頃(伝統的な時期)
【メリット】
新生児ならではの愛らしい姿を写真に残せます。
【注意点】
ママの体調がまだ不安定な時期。
赤ちゃんも外の気温の変化に敏感です。 -
生後100日頃(お食い初めと合わせて)
【メリット】
赤ちゃんの首がすわり始め、表情も豊かになります。
お食い初めと一緒に行うことで、遠方の祖父母も一度に集まりやすいという利点も。
【注意点】
体重が増えてくるので、長時間の抱っこは少し大変になるかもしれません。 -
季節ごとのチェックポイント
- 春・秋:
最も過ごしやすいベストシーズン。
ただし、春は花粉、秋は七五三の時期と重なり神社が混み合う可能性も考慮しましょう。 - 夏:
熱中症対策が必須。
ご祈祷は涼しい午前中の早い時間に行い、長時間の屋外滞在は避けましょう。
日焼け止めや虫除けも忘れずに。 - 冬:
とにかく防寒対策を万全に。
赤ちゃんの祝い着(産着)の下には暖かい肌着やベビードレスを着せ、おくるみやブランケットでしっかり体を包んであげましょう。
インフルエンザなどの感染症にも注意が必要です。
- 春・秋:
服装と持ち物を準備する
- 赤ちゃんの服装:
白羽二重(しろはぶたえ)の着物の上に、華やかな祝い着を掛けるのが正式なスタイル。
最近では、ベビードレスにケープを掛ける洋装スタイルも人気です。
レンタルサービスも豊富なので、上手に活用しましょう。 - 両親・祖父母の服装:
主役の赤ちゃんより目立たず、かつ神様に失礼のない服装が基本です。
ママはセレモニースーツやワンピース、パパはスーツが一般的。
祖父母もそれに準じた服装で揃えると、統一感が出て素敵です。 - 持ち物リスト:
☐ ご祈祷の初穂料(のし袋に入れて)
☐ オムツセット、おしりふき
☐ 授乳セット(ミルク、哺乳瓶、授乳ケープなど)
☐ ガーゼ、タオル
☐ 赤ちゃんの着替え
☐ 体温調節用のおくるみ、ブランケット
☐ ビニール袋(使用済みオムツ入れに)
☐ カメラ、スマートフォン
当日の流れをイメージする
ご祈祷、写真撮影、食事会など、当日にやりたいことをリストアップし、タイムスケジュールを組んでおくと安心です。
特に赤ちゃんがいると、移動や準備に思ったより時間がかかるもの。
ゆとりを持った計画を立てましょう。
【コミュニケーション編】もし「お日柄が…」と周囲に言われたら?
日程を決める上で、ご両親や義両親の意見は尊重したいもの。
もし六曜について意見が食い違った時は、どうすれば良いでしょうか。
大切なのは、頭ごなしに否定しないこと。
「お日柄も大事ですよね」と一度受け止めた上で、「赤ちゃんと産後の私の体調を一番に考えたくて、この日にしようと思うんです」と、こちらの想いを丁寧に伝えてみましょう。
主役である赤ちゃんとママを気遣う理由を伝えれば、きっとほとんどの方が理解し、納得してくれるはずです。
お宮参りは、家族の新たな絆を育む第一歩。
ぜひ、これを機にたくさんコミュニケーションをとってください。
【まとめ】最高の笑顔が、最高の贈り物
お宮参りは、赤ちゃんの健やかな成長を願う、愛情あふれる素敵な日本の伝統です。
六曜などの形式も大切ですが、それに縛られすぎる必要はありません。
何よりも大切なのは、パパとママ、そして家族みんながリラックスして、心からの笑顔で赤ちゃんを囲んであげること。
その温かい笑顔と幸せな気持ちこそが、神様への何よりの感謝のしるしであり、赤ちゃんへの最高のプレゼントになるはずです。
一般的には生後1年以内が一つの区切りとされていますので、焦らず、ご家族にとってのベストなタイミングで、思い出に残る素敵なお宮参りを行ってくださいね。