付き合い始めた記念日、ふたりの誕生日、覚えやすい語呂合わせの日…。
「この日に入籍しよう!」と、ふたりで指折り数えてきた大切な一日。
いざカレンダーで確認したら、そこには「赤口(しゃっこう)」の文字が。
「え、もしかして縁起が悪い日…?」なんて、せっかくのワクワクした気持ちに、少し影が差してしまっていませんか?
ご両親や親戚に報告した時に何か言われるかも…と、不安がよぎることもあるでしょう。
でも、どうか安心してください!
結論から力強く言います。赤口に入籍しても、全く問題ありません。
この記事では、「赤口」の本当の意味を丁寧に紐解きながら、お日柄の不安をスッキリ吹き飛ばします。
そして、ふたりが選んだかけがえのない一日を、誰にも遠慮することなく、胸を張って最高の記念日にするためのヒントをたっぷりお届けします。
そもそも「赤口」って何?気にするべき?
「赤口」や、その反対によく聞く「大安」は、「六曜(ろくよう)」と呼ばれる暦の考え方の一つです。
もともとは中国で時刻の吉凶を占うために使われていたものが日本に伝わり、現在の形に変化しました。
簡単に言えば、昔ながらの占いのようなものと捉えると分かりやすいでしょう。
私たちは、朝の情報番組で「今日の星座占い」の結果を見ても、それが一日を決定づける絶対的なものだとは考えませんよね。
「ラッキーアイテムは帽子か、じゃあ被っていこうかな」くらいの、気軽なお守りのような感覚で付き合っているはずです。
六曜もそれと全く同じです。
「大安だから全員が幸せ」というわけではないように、「赤口だから不幸になる」と決まっているわけではありません。
大切なのは、暦の文字ではなく、「この日がいい」と願うふたりの気持ち。
現代では、そのように柔軟に捉えるのがスマートな考え方と言えるでしょう。
なぜ「赤口」は縁起が悪いと言われるの?
では、なぜ赤口は伝統的に「お祝い事には向かない」とされてきたのでしょうか。
これには、赤舌神(しゃくぜつしん)という鬼が関わっているとされています。
この鬼は人々を悩ませ、邪魔をする存在だと考えられており、鬼が支配する「赤口」の日は、万事において凶、特に契約ごとやお祝い事は避けるべきだとされてきました。
また、「赤」という漢字そのものが、火事や刃物、血といった災いを連想させることも、縁起が良くないとされる理由の一つです。
昔の人々が、日々の暮らしの中で災いを避けたいと願う、戒めのような意味合いが込められていたのかもしれません。
しかし、これもあくまで昔からの言い伝え。
科学的根拠はどこにもありません。
現代の安全な暮らしの中で、過度に気にする必要はないのです。
それでも気になる!そんな時のポジティブ「赤口」攻略法
そうは言っても、
「知ってしまったからには、やっぱり気になる…」
「親を安心させるためにも、何かできることはないかな?」
と思いますよね。
ご安心ください。
そんなふたりのための、前向きな「赤口」攻略法を伝授します!
攻略法①:お昼の「ゴールデンタイム」を狙って提出!
赤口は、一日中ずっと鬼が目を光らせているわけではありません。
実は、1日の中でたった2時間だけ、鬼もお昼休みに入る(?)と言われる、運気が好転するラッキータイムが存在するんです!
その時間とは、ズバリ午前11時~午後1時(13時)の間。
「午の刻(うまのこく)」にあたるこの時間帯だけは、吉とされています。
この「ゴールデンタイム」を狙って婚姻届を提出すれば、縁起を大切にする方にも「ちゃんと考えて日取りを決めたんだね」と、きっと安心してもらえるはずです。
役所へ行く際は、事前に婚姻届の記入に不備がないか何度も確認し、戸籍謄本など必要な書類も完璧に揃えておきましょう。
少し早めに到着し、11時を待って颯爽と提出できれば、最高のスタートになりますね。
攻略法②:「赤口だと離婚しやすい」という噂は真っ赤なウソ!
「赤口に入籍すると離婚しやすくなる」…
そんな不吉なウワサを耳にすれば、誰だって不安になります。
ですが、はっきり断言します。これは全くのデタラメです!
考えてみてください。
離婚の原因は「入籍日のお日柄」でしょうか?
いいえ、違いますよね。
コミュニケーションのすれ違いや価値観の違いなど、もっと現実的な問題です。
大安に入籍したカップルだって、残念ながらお別れすることはありますし、逆に赤口に入籍して何十年も仲睦まじく連れ添っているご夫婦も星の数ほどいます。
近年、お日柄にこだわらないカップルが増える一方で、日本の離婚件数はむしろ減少傾向にあるというデータも、このウワサが事実無根であることの証明です。
大切なのは、お日柄に幸せを祈ること以上に、日々の暮らしの中でお互いを思いやり、幸せをふたりで育んでいくことなのです。
一番大切なのは「ふたりが選んだ日」であること
様々な情報をお伝えしましたが、結局のところ、何よりも優先すべき大切なことは何でしょうか。
それは、「ふたりが、その日を選んだ」という、かけがえのない事実そのものです。
お日柄を気にするあまり、ふたりにとって特別な意味を持つ日を諦めてしまうのは、あまりにもったいないことです。
ふたりの記念日こそが、最高の「大安吉日」
初めて出会った日、
プロポーズされた感動の記念日、
ふたりの好きな数字が並ぶ日…。
そうした「ふたりだけの物語」が宿る日は、思い出すたびに出会った頃の新鮮な気持ちを運んできてくれます。
これから先、大変なことがあっても、入籍記念日を迎えるたびに「あの日の決意を思い出して、また頑張ろう」と思えるはず。
それは、カレンダーが何と言おうと、ふたりにとって最高のパワースポットならぬ「パワーデイ」になるのです。
もし親や周りに反対されたら?「ふたりの物語」を丁寧に伝えよう
とはいえ、特にご両親の世代は、子どもたちの幸せを願うからこそ、お日柄を大切にされる方も少なくありません。
もし反対されたら、頭ごなしに「迷信だよ」と反論するのではなく、「どうしてその日に入籍したいのか」という、ふたりだけの素敵な物語を、感謝の気持ちと共に話してみましょう。
「お父さん、お母さん、心配してくれてありがとう。でもね、私たちにとってこの日は、初めて将来の話をした特別な日なんだ。だから、この日を新しい人生のスタートにしたいと思ってるんだ」
そんな風に、ふたりの誠実な想いを伝えれば、きっと「それなら仕方ないね」と温かく理解し、一番の応援団になってくれるはずです。
結婚は家と家との繋がり。心のこもった丁寧なコミュニケーションが、幸せな未来への何よりの架け橋となります。
【参考】他の六曜はどんな日?知っておくと便利!
- 大安(たいあん):
「大いに安し」。
言わずと知れた最強の吉日。
終日万事OK! - 友引(ともびき):
大安に次ぐ吉日。
「幸せに友を引く」という意味で結婚式にも人気。
お昼(11時~13時)の時間帯だけは「凶」なので避けましょう。 - 先勝(せんしょう):
「先んずれば即ち勝つ」。
何事も早めに行動するのが吉。
午前中がラッキータイム。 - 先負(さきまけ):
「先んずれば即ち負ける」。
急がば回れ。
勝負事は避け、午後に穏やかに過ごすのが吉。 - 仏滅(ぶつめつ):
かつては最悪の凶日とされましたが、近年は「物が滅びて、新しく始まる」というリセット&スタートの日とポジティブに解釈され、新たな門出に選ぶ人も増えています。
まとめ
カレンダーにひっそりと書かれた「赤口」の二文字に、ふたりの大きな幸せが左右される必要はまったくありません。
本当に大切なのは、暦の上の吉凶ではなく、ふたりが手を取り合って「これからよろしくね」と微笑み合う、その気持ちそのものです。
縁起が気になるならお昼のゴールデンタイムを狙う、という賢い方法もあります。
周囲への感謝と配慮も忘れずに、自信を持って、ふたりが選んだその日を、人生で一番輝く一日にしてください。
ふたりの門出を、心から応援しています!