社日とは?春と秋の違いを解説!

雑節

節分や彼岸など、日本には昔ながらの風習が数多く残っています。

その中でも、あまり知られていないのが「社日」です。

「社日(しゃにち)」とは何をする日なのでしょうか?

社日には春と秋の2つがあり、それぞれ春分・秋分と深い関わりがあります。

今回は、社日の意味や起源、そして春社日と秋社日の違いについて詳しくご紹介します。

2025年の春社日はいつ?

2025年の春社日は3月20日(木)です。

春分の日が3月20日なので、この日から最も近い「戊の日」に当たります。

社日とは、春分や秋分に最も近い「戊の日」のことで、春分に近いものを「春社日」、秋分に近いものを「秋社日」と呼びます。

この日は、土地を守る神様である「産土神(うぶすながみ)」を祀る風習があり、日本各地で関連する行事が行われています。

社日祭では、地域ごとに異なる伝統的な儀式が行われ、例えば福岡では「お潮井」と呼ばれる厄除けの砂を持ち帰る風習があります。

また、春社日は農作業の始まりを祝う意味もあり、五穀豊穣を願う祈願が多く見られます。

さらに、社日には特定の食文化も関わっており、一部の地域では春社日に赤飯や餅を供える習慣があります。

これには、土地の神様への感謝の気持ちを込める意味があるとされています。

また、2025年の秋社日は9月26日(金)です。

春社日と秋社日の違い

春社日と秋社日は、春分・秋分に近い「戊の日」という点では共通していますが、行われる祈願の内容に違いがあります。

  • 春社日:種まきの時期に当たり、五穀豊穣を願う。
  • 秋社日:収穫の時期に当たり、実りへの感謝を捧げる。

社日は中国から伝わった風習が、日本の「地神信仰」や「田の神信仰」と結びつき、広まったと考えられています。

地域によっては「農耕の神」として崇める風習もあります。

また、春社日には「治聾酒(じろうしゅ)」という酒を飲むことで、耳が良くなるという言い伝えもあり、俳句では春の季語とされています。

社日に行われる行事

社日は、土地の神様を祀る日であり、地域ごとに特色ある行事が開催されます。

福岡県筥崎宮「お潮井」

筥崎宮の近くにある箱崎浜の真砂を「お潮井」と呼びます。

これを竹かごに入れて持ち帰り、玄関先に吊るすことで厄除けとする風習があります。

お潮井は、体にまいて厄を払ったり、家を建てる際に土地を清めたり、田畑にまいて害虫を防ぐ用途にも用いられます。

長野県小県郡「お社日様」

長野県小県郡では、春になると田の神様(お社日様)が村に降り、秋になると山へ帰ると考えられています。

そのため、春社日には餅をついて神様を迎え、秋社日には収穫した稲を供える習わしがあります。

群馬県邑楽郡大泉町「探湯神事」

群馬県大泉町の社日稲荷神社では、神前に置かれた大釜で熱湯を沸かし、巫女が笹の葉に湯を含ませて四方にまき、家内安全や厄除けを祈願する儀式が行われます。

神奈川県伊勢原市「地神講」

社日は土地の神を祀る日であるため、この日は農作業を休む習慣がありました。

そのため、農家の人々は持ち回りで集まる家を決め、宴席を設けました。

床の間には「堅牢地神」や「弁財天」の掛け軸を飾り、煮しめや白飯を供えて祀ります。

社日の日程の決め方

社日は「春分・秋分に最も近い戊の日」と決められています。

しかし、現在の暦では「戊の日」と言われてもピンとこないかもしれません。

戊(つちのえ)は、古代中国から伝わった「十干(じっかん)」のひとつであり、陰陽五行説に基づく重要な要素の一つです。

十干は以下のように五行(木・火・土・金・水)に分類され、それぞれ「兄(え)」と「弟(と)」に分かれています。

この十干は、干支の一部としても使われ、60年周期の暦や日付の計算に用いられるなど、日本や中国の暦法に深く関わっています。

また、十干は性質ごとに異なる意味を持ち、特に戊は「大地」や「安定」、「成長」などの象徴とされることが多く、これが社日に選ばれた理由の一つとも考えられます。

五行 兄(え) 弟(と)
甲(きのえ) 乙(きのと)
丙(ひのえ) 丁(ひのと)
戊(つちのえ) 己(つちのと)
庚(かのえ) 辛(かのと)
壬(みずのえ) 癸(みずのと)

「戊」は土の性質を持つことから、土の神様を祀る社日に選ばれたと言われています。

戊の日は十干の周期に従い、10日に1回巡ってきます。

もし春分や秋分がちょうど戊の日と戊の日の間(5日目)に当たる場合、どちらの戊の日を社日とするかは、その年の春分・秋分の瞬間によって決まります。

  • 午前に春分・秋分が発生 → 前の戊の日
  • 午後に春分・秋分が発生 → 後の戊の日

雑節との関係

社日は「雑節」のひとつです。

雑節とは、日本独自の暦で、節分や彼岸、八十八夜、入梅、半夏生などが含まれます。

二十四節気や五節句は中国由来ですが、雑節は日本の気候や農作業に合わせて作られたもので、農家にとっては季節を知る重要な指標となりました。

特に、農作業の節目として利用されることが多く、種まきや収穫のタイミングを決める目安ともなっています。

社日は節分ほど有名ではないものの、各地で「社日祭」が行われ、今もなお風習が受け継がれています。

社日祭では、土地の神様への感謝を込めた祈願が行われるだけでなく、地域によっては独自の祭礼や伝統行事が催されます。

例えば、神饌として赤飯や団子が供えられる地域もあり、また特定の神社では五穀豊穣を祈るための特別な神事が執り行われます。

このように、社日は単なる暦の一部ではなく、日本各地の伝統や文化とも深く結びついている重要な日なのです。

まとめ

社日は春分・秋分に近い「戊の日」に当たり、日本各地で土の神様を祀る行事が行われます。

この日は、農作業の節目としても重要であり、特に農村部では五穀豊穣を願う祭りが盛んに行われます。

社日祭では、各地域独自の儀式が執り行われ、神饌として赤飯や餅が供えられることもあります。

2025年の春社日は3月20日、秋社日は9月26日です。

これらの日には、社寺で特別な法要や神事が営まれ、地元住民が集まり、伝統を守りながら祈りを捧げます。

また、春社日は種まきの前の祈願、秋社日は収穫後の感謝を示す意味合いも持ち、農業と深い結びつきがあります。

あまり馴染みのない方も、自分の地域で行われている社日祭を訪れ、土地の神様に感謝を捧げてみてはいかがでしょうか。

地域ごとの風習を知ることで、日本の伝統文化の奥深さを感じられるかもしれません。

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