傘寿のお祝いに贈るちゃんちゃんこは、どんな色が良いのでしょうか?
また、必ずちゃんちゃんこを贈るべきか迷う方もいるかもしれません。
80歳の節目となる傘寿では、ちゃんちゃんこや頭巾を身に着けてお祝いすることが多く、これには長寿のお祝いにふさわしい色があるとされています。
今回は、傘寿に贈るちゃんちゃんこの色について詳しく解説します。
傘寿祝いに最適なちゃんちゃんこの色とは?
傘寿のお祝いでは、ちゃんちゃんこの色として濃黄色や黄色、または金茶色が一般的です。
長寿祝いには、それぞれの年齢の節目ごとにテーマカラーが決まっており、たとえば還暦は赤、古希や喜寿は紫、白寿は白といった色が用いられます。
傘寿では通常、濃黄色がテーマカラーとされていますが、地域によっては紫が使われることもあります。
事前に住んでいる地域の習わしを確認してみると良いでしょう。
紫は格式が高く、高貴な色として知られ、かつては上流階級の人々だけが着ることが許された色でした。
一方、黄色も豊かさを象徴する「黄金色」とされ、中国では皇帝だけが着用を許された特別な色とされていました。
傘寿のお祝いで濃黄色のちゃんちゃんこを贈るのは、長寿を迎えた方への敬意と感謝の表れです。
傘寿にちゃんちゃんこを贈る意味とは?
傘寿にちゃんちゃんこを贈る風習は、還暦の伝統を引き継いでいます。
長寿のお祝いは中国が発祥で、奈良時代に日本に伝わったとされています。
「還暦」は、「暦が還る」、つまり干支が60年で一巡し、生まれた年の干支に戻ることを意味しています。
この干支は通常の十二支だけではなく、十干(甲・乙・丙など)と十二支の組み合わせによって決まり、60年で一巡します。
たとえば2022年は寅年ですが、十干と十二支の組み合わせでは「壬寅」となり、こうした組み合わせが60年ごとに巡ります。
そのため、還暦は「生まれ直し」と考えられ、赤ちゃんに戻る意味で赤いちゃんちゃんこを着る習わしが生まれました。
当時は医療も発展しておらず、赤ちゃんの健やかな成長が何より大切とされ、魔除けとして赤い産着を着せる風習がありました。
袖がないちゃんちゃんこは、赤ちゃんにとっても動きやすく脱ぎ着しやすい服だったため、還暦祝いには赤いちゃんちゃんこが使われ、幸せと長寿を願う風習が定着しました。
傘寿でちゃんちゃんこを贈るのも、こうした還暦のお祝いの伝統が受け継がれているのです。
傘寿のお祝いにちゃんちゃんこは必要?
傘寿のお祝いに必ずちゃんちゃんこを贈る必要はありませんが、ちゃんちゃんこには傘寿を迎える方の幸せと長寿を願う意味が込められており、定番の贈り物としてよく使われています。
ただし、傘寿を迎える方の中には「ちゃんちゃんこを着るのが照れくさい」「年齢を感じさせられる」といった理由で、着用を気にされる場合もあります。
近年は、80代でも若々しい方が多く、長寿祝いそのものに抵抗を感じる方も増えています。
そのため、無理にちゃんちゃんこを贈ったり着用をすすめたりするのではなく、80歳の節目として気軽にお祝いする方法も良いでしょう。
傘寿祝い用のちゃんちゃんこはどこで買える?
傘寿祝い用のちゃんちゃんこは、呉服店や和装店のほか、デパートやショッピングセンターの特設コーナーなどで購入できます。
また、ドン・キホーテなどの大型量販店でも取り扱われていることがあるため、近くのお店をのぞいてみると良いでしょう。
さらに、インターネットでも購入が可能です。長寿祝いを専門に扱うオンラインショップでは、ちゃんちゃんこだけでなく、他のギフトとセットになった商品もありますので、ちゃんちゃんこ以外のプレゼントを考えている方にもおすすめです。
傘寿のお祝いで喜ばれるお祝いの仕方は?
家族や親戚に傘寿を迎える方がいる場合、どのようにお祝いをするか迷うこともあるでしょう。
ここでは、傘寿のお祝いで喜んでもらえる方法をご紹介します。
食事会を開く
傘寿のお祝いとして人気のある方法のひとつが食事会です。
家族や親戚と一緒に美味しい食事を楽しみながら、ゆっくりと語らう時間は、傘寿を迎える方にとっても心に残る思い出となるでしょう。
自宅で手料理や出前を用意すれば、移動の手間がなく、リラックスした雰囲気で過ごすことができます。
特別感を演出したい場合は、普段は行かないような高級レストランや料亭でのお祝いもおすすめです。
また、レストランや料亭によっては長寿祝いの特別プランが用意されている場合もあり、長寿をテーマにした料理や、ちゃんちゃんこや頭巾の貸し出しなどのサービスがあることもあります。
プレゼントを贈る
傘寿のお祝いにプレゼントを贈るのも素敵な方法です。
プレゼントは、傘寿を迎える方が本当に欲しいものを選ぶのが理想的です。
普段の会話でさりげなく聞き出したり、直接聞いてみるのも良いかもしれません。
サプライズで用意したものが必ずしも喜ばれるとは限りませんので、本人の希望を尊重して選ぶことが大切です。
何を贈ればよいか迷う場合は、カタログギフトも良い選択肢です。
カタログギフトなら、相手が自分で好きなものを選べるため、安心して贈ることができます。
「ちゃんちゃんこ」以外の傘寿祝いの伝統的な贈り物は?
傘寿祝いの贈り物としては、ちゃんちゃんこが有名ですが、もう一つの伝統的な贈り物に「傘」があります。
80歳を祝う「傘寿」の名前は、傘の略字「仐」が「八十」に見えることに由来しています。
このため、傘を贈ると縁起が良いとされています。
傘は実用的なアイテムでもあるため、贈り物として喜ばれます。
近年では、雨傘と日傘の兼用タイプも増えており、一年中便利に使ってもらえます。
さらに、傘は杖の代わりとしても役立つアイテムです。
長寿祝いで杖や老眼鏡など年齢を感じさせるものは避けた方が良いとされていますが、傘なら日常で自然に使えるため、相手にも気兼ねなく贈ることができます。
まとめ
傘寿のお祝い用のちゃんちゃんこは、一般的に濃黄色や金茶色ですが、地域によっては紫色が使われることもあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。
ちゃんちゃんこの贈呈は必須ではありません。傘寿を迎える方の気持ちを大切にし、もし「いらない」と感じている場合は、無理に贈る必要はありません。