喜寿のお祝いをする際に熨斗をつけるべきか、迷う方もいらっしゃるかもしれません。
一般的に、贈り物を贈る際には熨斗をつけるのが礼儀とされています。
喜寿のお祝いもその例外ではなく、熨斗をつけるのがマナーです。
ただし、熨斗の水引をどう選び、何を書き入れるかについては、疑問を持つ方が多いでしょう。
今回は、喜寿祝いで使う熨斗の詳細について説明します。
喜寿のお祝いに熨斗は必要?
喜寿のお祝いには熨斗をつけることが礼儀として望ましいです。
日本では、喜寿をはじめとするお祝いの場で、贈り物に熨斗を添えるのが一般的です。
熨斗とは、贈り物の包装紙についている右上の飾りを指します。
熨斗の起源は「熨した鮑(あわび)」にあり、昔はこれを「熨斗鮑」と呼びました。
鮑は長寿の象徴とされており、伊勢神宮などで神様への供え物として使われていたものです。
現代では、本物の鮑ではなく、その簡略化として黄色い紙の飾りが熨斗として用いられています。
このように、喜寿など長寿を祝う場面では、熨斗をつけることが意味を持つとされています。
一般的に「熨斗」と呼ばれるものは、熨斗鮑と水引がセットになっているものを指すことが多いですが、本来は熨斗鮑の部分のみを意味します。
水引と熨斗が印刷された紙は「熨斗紙」、ご祝儀を包む袋は「熨斗袋」と呼ばれます。
かつては、贈り物を白紙で包み、水引をかけたうえで熨斗を添えるのが正式な方法でしたが、近年では熨斗紙を使うケースが増えています。
デパートでのギフト包装でも熨斗紙が多く使われていますが、相手によってはそれを不適切と感じることもあるため、贈る相手に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
喜寿祝いにふさわしい水引の選び方
喜寿のお祝いに贈る際、どの水引を選べば良いのでしょうか?
水引にはいくつかの種類があり、祝いの内容によって適した選び方が異なります。
喜寿祝いにふさわしい水引の種類とその理由について詳しく解説します。
蝶結び
「花結び」とも呼ばれる蝶結びは、結び目が簡単に解けることから、繰り返しのお祝いに使用されます。
喜寿祝いは人生で一度きりのものですが、長寿のお祝い全般は続くことが望ましいという考えから、蝶結びの水引が好まれます。
色は赤白や赤銀が一般的です。
結び切り
一度結ぶとほどけない結び切りは、結婚や快気祝いなど、一度きりで終わることが望ましいお祝いに使われます。
喜寿のお祝いも一度限りではありますが、長寿を何度もお祝いできる喜びを意識して、結び切りは避けるのがマナーです。
あわじ結び
結び切りの一種であるあわじ結びは、両端を引っ張るとさらに結び目が固くなるため、特に結婚式などに適しています。
一度で終わるべきお祝いに用いられるため、喜寿祝いにはふさわしくありません。
喜寿祝いの熨斗の記載方法
喜寿のお祝い用の熨斗紙や熨斗袋には、何のためのお祝いか、誰からの贈り物かがはっきり分かるように記載する必要があります。
熨斗の表面、つまり水引の上部は「表書き」と呼ばれ、祝いの内容を記載する場所です。
下部には贈り主の名前を入れます。
表書きの書き方
水引の上には「祝喜寿」や「喜寿御祝」、または「御祝」と記入するのが一般的です。
これにより、喜寿のお祝いであることが一目で分かるようになります。
最近では、形式にとらわれず、親しい関係の場合は「感謝」や「おめでとう」といったカジュアルな表現を使うこともあります。
喜寿を迎える本人が厳格さを避けたい場合は、このような柔らかい表現を選んでも良いでしょう。
水引の下に記載する名前
水引の下には、贈り主の名前を記入します。
個人で贈る際はフルネームで記し、家族やグループで贈る場合は代表者の名前を最初に書き、家族の場合は隣に連名で名前のみを記載します。
会社から贈る場合、全員の名前を記入することもありますが、3人以上の場合は代表者の名前を書き、「他一同」と記載するのが一般的です。
熨斗を書く際の注意点
熨斗に記入する際に気をつけるべきポイントについて説明します。
適した筆記具の選び方
熨斗に記載する場合、一般的に毛筆を使うことが望ましいとされています。
ただし、毛筆が手元にない場合や用意が難しい場合もあるでしょう。
その際は、筆ペンを代わりに使っても問題ありません。
筆ペンがなければ、サインペンを使うことも可能です。
一方、ボールペン、万年筆、鉛筆、シャープペンシルは、熨斗の記入には不向きとされています。
筆ペンは100円ショップなどでも手軽に購入できるので、この機会に用意しておくと良いでしょう。
内のしと外のしの違いについて
熨斗紙には「内のし」と「外のし」という2つの使い方があります。
内のしは、品物に熨斗紙をかけた上からさらに包装紙で包む方法です。
外のしは、品物の上に直接熨斗紙をかける方法で、一目で贈り物の送り主と目的が分かります。
外のしは目立つために好まれることもありますが、贈り物を宅配便で送る際には、熨斗紙が破損する恐れがあるため、内のしの方が適しています。
配送する場合は、内のしを選び、熨斗紙が破れないよう配慮しましょう。
まとめ
喜寿のお祝いには熨斗をつけるのが一般的です。
「熨斗」は本来、熨した鮑を模した装飾を指しますが、現代では紙と水引がついたものを熨斗と呼ぶことも多くなっています。
喜寿祝いには蝶結びの水引が適しています。
最近では、印刷された水引と熨斗がついた熨斗紙を使うのが一般的ですが、これは簡易的な方法です。
特に大切な方への贈り物は、白い紙に水引と熨斗を添えて、丁寧に包むことを心がけると良いでしょう。