カレンダーの隅っこに書かれた「大安」や「仏滅」の文字。
「結婚式、やっぱり大安がいいのかな?」
「引っ越しの日が仏滅だけど、大丈夫…?」
なんとなく知っているつもりでも、いざ自分の大切なイベントとなると、どう選んだらいいか悩んでしまいませんか?
これらは「六曜(ろくよう)」と呼ばれる、中国から伝わった一種の”運勢予報”のようなもの。
その日の吉凶を教えてくれる、昔ながらの暮らしの知恵なんです。
でも、この六曜、実はとっても奥が深い!
ただ縁起が良い・悪いだけじゃない、時間帯による運気の変化、意外な解釈、そして賢い付き合い方があるんです。
さらに、最近よく聞く「一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)」といった他の吉日との関係まで知れば、日取り選びはもっと楽しく、戦略的になります。
この記事では、そんな六曜の基本から応用編まで、皆さんが気になるギモンを解説します。
読み終わる頃には、あなたもお日柄選びの達人になっているはず。
さあ、日取りのモヤモヤをスッキリ解決しましょう!
まずは基本から!六曜メンバーと正しい知識
六曜を使いこなすには、まず彼らのプロフィールをしっかり知ることが大切です。
個性豊かな6つのキャラクターを、縁起の良い順にご紹介します!
- 1位:大安(たいあん)
「大いに安し」の意味を持つ、非の打ちどころがない最強のラッキーデー。終日、何をするにも吉とされ、あらゆるお祝い事に最適です。
まさにイベント界のゴールデンタイム!
- 2位:友引(ともびき)
「幸せのおすそ分け」の日。お祝い事をすると、周囲の友人にも幸せが引っぱられていくと言われます。
ただし、「朝晩は吉、昼は凶」という特徴も。
お祝い事のスタートは、お昼時を避けるとさらに良いとされています。
- 3位:先勝(せんしょう/さきがち)
「先んずれば即ち勝つ」。その名の通り、午前中(目安として午後2時頃まで)が吉で、午後は凶に転じます。
何かを始めるなら、スタートダッシュが吉!と覚えておきましょう。
- 4位:先負(せんぶ/さきまけ)
「先んずれば即ち負ける」。先勝とは真逆で、午前は凶、午後(目安として午後2時以降)から吉に。
慌てず、じっくり構えて午後から行動するのがツキを呼ぶ日です。
- 5位:赤口(しゃっこう/しゃっく)
鬼が支配するとされる、ちょっぴり注意が必要な日。「赤」の字から火や血、刃物を連想させるため、お祝い事や契約には凶とされます。
唯一、鬼が休憩するお昼の「午の刻(うまのこく)」(午前11時頃~午後1時頃)だけは吉とされています。
- 6位:仏滅(ぶつめつ)
「仏も滅するような大凶日」。一日を通して凶とされ、お祝い事は避けられがち。
ですが、この「仏」は仏教の仏様とは無関係。
むしろ「物滅」として「物が一旦滅び、新しく始まる」というポジティブな解釈も生まれています。
【豆知識】六曜はいつから日本に?
六曜のルーツは中国ですが、日本に伝わったのは鎌倉時代から室町時代にかけてと言われています。今の形で民衆の間に広まったのは、江戸時代の終わり頃。
意外と歴史は浅いのですが、カレンダーに印刷されるようになってから、一気に私たちの生活に浸透していったのです。
【シーン別】もう迷わない!六曜との上手な付き合い方Q&A
基本がわかったところで、いよいよ実践編。
「こんな時、どの日を選べばいいの?」という具体的なお悩みに、一歩踏み込んでお答えします!
Q1. ハレの日の主役!「結婚式」や「入籍」にベストな日は?
A. 王道は「大安」、次点で「友引」。
でも、逆転の発想で「仏滅」を選ぶのも素敵です!
人生の一大イベントである結婚式や入籍。
やはり一番人気は、文句なしのラッキーデー「大安」です。
人気の日取りは半年前、人気の式場なら1年前から予約が埋まるほどの争奪戦になることも。
もし大安の予約が取れなくても、ご安心を。
「友引」も「幸せを友に引く」という意味合いから、結婚式にぴったりの日。
大切な友人たちに囲まれて、幸せのおすそ分けをする…なんて、素敵なストーリーが生まれますね。
そして、ここがポイント。
最近では、あえて「仏滅」を選ぶカップルが増えています。
「これ以上悪くならない=あとは幸せが上がっていくだけ」という、とても前向きな逆転の発想です。
「『ゼロからのスタートだね』と二人で笑い合えたのが、かえって良い思い出になりました」なんて声も。
何より、仏滅プランは費用が割引になったり、予約が取りやすかったりする実用的なメリットも。
二人らしいスタートを切りたいカップルには、賢い選択肢と言えるでしょう。
Q2. 悲しみの席での配慮。「お葬式」で気をつけたい日は?
A. 基本的に六曜は気にしません。
ただし「友引」だけは避けるのが社会的なマナーです。
お葬式やお通夜は、お祝い事ではないため、六曜の吉凶を気にする必要はありません。
仏滅や赤口に行っても、まったく問題ありません。
ただし、一つだけ気をつけたいのが「友引」です。
本来の意味とは違うのですが、「友を冥土へ引っぱっていく」という言葉の連想から、この日のお葬式は古くから避けられてきました。
この慣習は今も根強く、全国的に多くの火葬場が友引を休業日に定めています。
そのため、物理的に葬儀ができないケースが多いのです。
故人を偲ぶ気持ちが一番大切ですが、参列者への配慮や社会的な慣習として、「友引」は避けるのが無難と言えるでしょう。
Q3. 新生活のスタート!「引っ越し」に最適な日取りとは?
A. 「大安」が人気ですが、「仏滅」はリセットの日に、「先勝」や「先負」は時間帯を狙って!
引っ越しもお祝い事の一つと捉え、「大安」はやはり大人気。
特に春の繁忙期は、あっという間に予約が埋まってしまいます。
そこで注目したいのが、「仏滅」。
「仏滅」は「物滅」に通じるとも言われ、「古い物や厄が滅び、まっさらな状態で新生活を始められる」と解釈する人が増えています。
断捨離をして心機一転スタートを切る日としては、むしろ最高のタイミングかもしれません。
また、「先勝」の午前中や「先負」の午後など、吉の時間帯を狙って引っ越し作業を始めるのも賢い方法です。
【お日柄を味方につける裏ワザ】
どうしても日取りが良くない…そんな時は「フライング引っ越し」作戦!引っ越し業者が来る前の吉日に、お気に入りのマグカップと本一冊、といった身近なものだけでも新居に運び入れ、「今日から私の新生活スタート!」と宣言するのです。
その日が、あなたにとっての縁起の良い「引っ越し日」になります。
Q4. 安全第一!「納車」の日にちは、どう選ぶ?
A. 「大安」がベストですが、「赤口」は特に避ける傾向があります。
新しい愛車との対面も、嬉しいお祝い事。
ディーラーさんから「納車は大安にしましょうか?」と提案されることも多いでしょう。
納車日として特に避けられがちなのが「赤口」です。
「赤」が血や火事を連想させ、事故を強くイメージさせるためです。
また、「友引」も「友を轢(ひ)く」という語呂合わせから避ける人がいます。
どうしても日取りの都合がつかない場合は、車の登録日(車検証に記載される日)を大安にしてもらうという手もあります。
大切なのは、あなたが晴れやかな気持ちでカーライフをスタートできることです。
Q5. 大切な人の回復を願う。「お見舞い」に行く日は?
A. 「大安」が最良。
長引かないよう「仏滅」「赤口」は避ける心遣いを。
お見舞いはデリケートなイベントです。
もちろん一番は相手の体調や都合ですが、日柄を気にするなら、快方に向かうよう縁起を担ぎたいもの。
「大安」が最も良いとされます。
逆に、病が「滅する(終わる)」と読める「仏滅」は良さそうに思えますが、「長引く」と捉える人もいるため、避けた方が無難。
同様に「赤口」も、やはり血や死を連想させるため、お見舞いには不向きとされています。
Q6. 神様にご挨拶。「神社へのお参り」に六曜は関係ある?
A. 基本的に無関係!でも、気持ちよくお参りするなら…。
初詣、七五三、安産祈願…。
神社へのお参り(神事)は、仏教とは関係がないため、本来、六曜は全く気にする必要がありません。
しかし、一緒に行く家族や親戚が気にする場合や、自分自身が気持ちよくお参りしたい、という思いから「大安」を選ぶ人は多くいます。
特に、お日柄の良い週末は神社も混み合います。
気にしないのであれば、あえて仏滅などにお参りして、静かで厳かな雰囲気を味わうのも良いかもしれませんね。
【上級編】もっと運を味方に!最強の開運日を見つける方法
最近、六曜と合わせて注目されているのが「一粒万倍日」や「天赦日」といった特別な吉日です。
これらを知っていると、日取り選びがさらにパワーアップします!
- 一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
「一粒のもみが万倍にも実る稲穂になる」という意味の日。何かを始めるのに最適で、この日に始めたことはやがて大きな成果に繋がると言われます。
- 天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)
「天が万物の罪を赦(ゆる)す日」とされ、暦の上で最上の大吉日。年に数回しかなく、この日に始めたことは何事もうまくいくと言われます。
「大安」と「一粒万倍日」や「天赦日」が重なる日は、まさに最強の開運日!
何か特別なことを計画するなら、ぜひカレンダーで探してみてください。
まとめ:六曜はルールじゃない。暮らしを豊かにするスパイスです。
ここまで、六曜の様々な側面を見てきましたがいかがでしたか?
六曜や他の吉日は、絶対に従わなければいけないルールではありません。
天気予報を見て「傘を持っていこうかな」と考えるように、「大切な日だから、少し縁起を担いでみよう」と、あなたの行動を後押ししてくれる心強いサポーターであり、暮らしのスパイスです。
科学的な根拠はありません。
だから、気にしすぎる必要はないのです。
でも、結婚式やお葬式など、多くの人が集まる場では、少しだけ配慮することで人間関係がスムーズになったり、自分自身の気持ちに区切りをつけられたりするのも事実です。
何よりも大切なのは、あなた自身と、あなたの周りの人たちが、心から納得し、気持ちよくその日を迎えられること。
六曜を賢く味方につけて、あなただけの大切な一日を、最高の思い出にしてくださいね。