結婚式の準備、心躍る反面、決めることが多くて大変ですよね。
特に「日取り」は、お二人はもちろん、ご家族にとっても大切な要素。
カレンダーとにらめっこしながら、「この日はどうかな?」と話し合う時間も、また一つの思い出になることでしょう。
そんな中、もし候補日が「赤口(しゃっこう)」だったら…?
「お日柄が良くないって聞くけど、本当に大丈夫?」
「親や親戚に、どう説明すれば納得してもらえるんだろう…」
「でも、結婚式費用が安くなるって噂も気になる…」
こんな風に、期待と不安が入り混じった気持ちになっていませんか?
ご安心ください。
この記事では、そんなお二人の疑問や不安を一つひとつ丁寧に解消していきます。
「赤口」の本当の意味から、周囲を味方につけるコミュニケーション術、そして知られざるメリットまで、この記事を読み終える頃には、自信を持って最高の一日を選べるようになっているはずです。
敵を知る!そもそも「赤口」とは何か?
まずはお日柄の基本、「六曜(ろくよう)」についておさらいしましょう。
これは古代中国で生まれ、鎌倉時代から室町時代にかけて日本に伝わったとされる、由緒ある暦注(暦に書かれる吉凶などの情報)です。
いわば、「その日一日の運勢を示す天気予報」のようなもの。
江戸時代に民衆の間で大流行し、以来、日本の冠婚葬祭の文化に深く根付いてきました。
ご存知の通り、六曜には6種類あります。
- 大安(たいあん):
「大いに安し」の意味。
終日万事において吉とされる、文句なしのラッキーデーです。 - 友引(ともびき):
朝と夕は吉ですが、昼(11時~13時)は凶。
「幸せのおすそ分け」という意味で結婚式には良いですが、「友を冥土へ引く」と解釈されるためお葬式は避けられます。 - 先勝(せんしょう):
「先んずれば即ち勝つ」。
何事も急ぐのが良いとされ、午前中が吉、午後は凶となります。 - 先負(せんぶ):
「先んずれば即ち負ける」。
先勝とは逆に、何事も慌てず、午後から行動するのが吉とされます。 - 仏滅(ぶつめつ):
「物が滅する日」として、六曜の中で最も縁起が悪いとされる大凶日です。 - 赤口(しゃっこう):
そして今回の主役。
仏滅に次ぐ凶日とされ、特にお祝い事には向かないと言われています。
このようにお日柄を重んじる文化があるからこそ、特にご年配の方は「大切な娘や息子の門出を、わざわざ縁起の悪い日に…」と心配してしまうのです。
これが、赤口の結婚式が反対されがちな根本的な理由です。
なぜ嫌われる?赤口が「縁起が悪い」とされる本当の理由
では、なぜ赤口はこれほどまでに避けられるのでしょうか。
その背景には、「赤舌神(しゃくぜつしん)」という恐ろしい鬼の存在があります。
この鬼は人々に災いをもたらすとされ、彼が支配する「赤口日」は万事に凶、何をするにも注意が必要な日とされてきました。
さらに、「赤」という漢字そのものが、「血」や「火」、「死」といった不吉なものを連想させることも、お祝い事を避けるべきとされる大きな理由です。
新しい門出である結婚式で、争いや災いを連想させるものは、やはり避けたいと考えるのが人情というものでしょう。
【結論】それでも、赤口の結婚式は全く問題ありません!
背景を知ると少し怖くなってしまったかもしれませんが、どうかご安心を。
一番大切な結論を、もう一度お伝えします。
現代において、赤口の日に結婚式を挙げることは、全く問題ありません。
なぜなら、六曜はあくまで古くからの慣習の一つであり、その人の幸福を約束したり、不幸を確定させたりするものではないからです。
ある調査では、若い世代の半数以上が「六曜を気にしない」と回答しているというデータもあります。
大切なのは、カレンダーの文字ではなく、お二人が夫婦としてどんな未来を築いていくかという強い意志です。
実際に「費用を抑えられた分、新婚旅行を豪華にできました!」「自分たちの記念日に挙げられて、本当に満足しています」と、赤口を選んで大正解だったという先輩カップルは数えきれないほどいるのです。
ピンチをチャンスに!周囲を味方につける説得術
とはいえ、結婚は家と家との結びつき。
大切なご家族には、心から祝福してもらいたいですよね。
もし反対されてしまったら、次の3つのヒントを試してみてください。
「この日だけの物語」を伝える
もしその日が、お二人の特別な記念日なのであれば、そのエピソードを交えて具体的に話してみましょう。
「お父さん、お母さん。実は結婚式をしたい日は、私たちが初めて出会った、忘れられない日なんです。他のどんな大安の日よりも、私たちにとっては価値があって…。この日から、また新しい物語を始めたいと思っています。」
単に「記念日だから」ではなく、そこにあるストーリーを共有することで、ご家族もきっと二人の想いを理解し、応援してくれるはずです。
ネガティブをポジティブに変換する「決意表明」
六曜を大切にする方に「迷信だよ」と切り捨てるのはNG。
相手の価値観を尊重しつつ、二人なりの前向きな解釈を伝えましょう。
「おっしゃる通り、縁起の上では良くない日かもしれません。でも、だからこそ、私たちはこの日に誓いを立てたいんです。『どんな困難があっても二人で乗り越えていける』という、私たちの固い決意の証として、この日を選びました。」
これは単なる言い訳ではなく、二人の覚悟を示す力強いメッセージになります。
「いいとこ取り」で安心させる折衷案
どうしても説得が難しい場合は、「いいとこ取りプラン」を提案するのも一つの手です。
「それなら、役所に婚姻届を出す『入籍日』だけは、縁起の良い大安の日にするのはどうかな?そして、みんなに感謝を伝える結婚式は、私たちの記念日であるこの日に行わせてもらえないでしょうか?」
このように、お日柄の良い日と記念日を両立させることで、お互いが納得できる着地点を見つけやすくなります。
賢い選択!赤口ウェディングの嬉しいメリット
敬遠されがちな赤口ですが、視点を変えれば、お二人にとって大きなメリットをもたらす「狙い目の日」でもあります。
驚くほどお得に!浮いた予算で夢が広がる
結婚式で最も人気なのは、やはり気候の良いシーズンの「大安」や「友引」の土日。
当然、予約はすぐに埋まり、料金もピーク価格です。
しかし赤口を選ぶだけで、人気のシーズンでも数十万円単位で費用が変わることも珍しくありません。
その浮いた予算で、あなたなら何をしますか?
- 憧れのブランドのウェディングドレスにグレードアップする
- ゲストへのお料理や引出物をワンランク上のものにする
- プロのカメラマンによる写真やビデオのオプションを追加する
- 夢だったヨーロッパへの新婚旅行を実現する
このように、費用を賢く節約することで、結婚式全体の満足度をさらに高めることができるのです。
「鬼の休憩時間」を狙って縁起を担ぐ
一日中が凶とされる仏滅と違い、赤口には唯一「吉」とされるゴールデンタイムが存在します。
それが、午前11時頃~午後1時頃までの「午の刻(うまのこく)」です。
これは、人々を悩ませる鬼が休憩に入る時間とされ、この間だけは災いから逃れられると言い伝えられています。
例えば、「11:30から挙式を開始し、12:30から披露宴をスタートする」というタイムスケジュールを組めば、結婚式の最も重要な儀式を、縁起の良い時間内に執り行うことが可能です。
これは、日柄を気にするご家族への、何よりの安心材料になるでしょう。
まとめ:最高の日は、お二人が「この日だ」と心から笑える日
ここまで読んでいただき、いかがでしたでしょうか。
「赤口」という言葉が持つ、少し怖いイメージは払拭できたでしょうか。
この記事のポイントをまとめます。
- 赤口は六曜の一つで、古くからの慣習で凶日とされるが、科学的根拠はない。
- 結論、赤口に結婚式を挙げても全く問題なく、気にするかどうかは個人の価値観による。
- 反対されたら、記念日の価値を伝えたり、ポジティブな決意表明をしたりして、誠実に話し合うことが大切。
- 費用が格段に安くなる、予約が取りやすいなど、カップルにとって現実的なメリットが多い。
- 11時~13時の吉時間を活用すれば、縁起を担ぐことも可能。
結婚式の日取りは、お二人の新しい物語が始まる、大切なプロローグです。
しかし、本当に大切なのは、どの日を選ぶかよりも、その日からお二人がどんな素晴らしい物語を紡いでいくか、ということです。
周りの声に惑わされず、お二人でじっくりと話し合い、心から「この日が私たちのスタート地点だね」と笑い合える一日を選んでください。
お二人の門出が、最高に素敵な一日になることを心から願っています。