土用の期間に引っ越しをするのは避けた方がよいとされています。
その理由について詳しく調べてみました。
「土用」と聞くと、うなぎを食べる「土用の丑の日」を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、実際のところ土用とはどのようなものなのでしょうか?
特に「土用の期間に引っ越しは控えたほうがよい」と言われることについて、気になっている方もいるでしょう。
そこで今回は、土用と引っ越しの関係について詳しく解説します。
土用とは何か?
土用は、日本の暦における「雑節」の一つであり、季節の移り変わりを示す重要な指標とされています。
春夏秋冬の変わり目にあたる立春・立夏・立秋・立冬の直前18日間が土用の期間にあたり、この期間は、昔から特別な意味を持つ時期とされてきました。
特に、古来より土を司る神である「土公神」がこの期間に地中に宿ると信じられており、土を掘り返したり、大きく移動させたりすることは避けるべきだとされてきました。
これにより、土木工事や造園作業などの大規模な土に関わる作業を控える風習が今も受け継がれています。
また、土用の期間は気温の変動が大きく、湿度の変化も著しいため、昔の人々はこの時期を慎重に過ごすべきものと考えていました。
体調を崩しやすいことから、新たなことを始めるのは適していないとされ、引っ越しや大掛かりな移動を避ける理由の一つになっています。
さらに、土用は単なる気候の変化を指すだけでなく、人の運気にも影響を及ぼすとされ、慎重に行動することで災厄を回避できると考えられてきたのです。
なぜ土用の引っ越しは避けられるのか?
土用の期間に引っ越しを避けるべきとされる理由はいくつかあります。
1. 土公神の影響
土用の期間に地面を掘る、土地を動かすことは、土公神の怒りを買い、災いを招くと考えられています。
この期間は土の神が地中に宿るとされ、地面を動かす行為が神聖な領域を乱すと信じられてきました。
引っ越し自体は直接土を掘る作業ではありませんが、新しい土地への移動が関わるため、凶方角の影響を受けるとされます。
また、住まいを移すことは運気の流れを大きく変える行為でもあり、土用の時期に行うとその影響が強まり、思わぬトラブルを招く可能性があると考えられています。
そのため、昔から土用の間の引っ越しは慎重に判断されるべきものとされてきました。
2. 季節の変わり目で体調を崩しやすい
土用はちょうど季節の変わり目にあたるため、気温の変化が激しく、体調を崩しやすい時期でもあります。
特に夏の土用は猛暑が続くことが多く、熱中症や脱水症状のリスクが高まります。
また、冬の土用では寒暖差が激しく、風邪やインフルエンザにかかりやすくなるため、体調管理が重要です。
引っ越しは大きなエネルギーを必要とし、荷物の運搬や新居での片付けなど、肉体的にも精神的にも負担がかかる作業です。
そのため、この時期に行うと疲れが溜まりやすく、健康面への影響が懸念されます。
加えて、気温や湿度の変化によって体調が不安定になりやすく、免疫力が低下することもあるため、体調を整えながら慎重に行うことが求められます。
3. 運気への影響
昔から、土用の期間は「新しいことを始めるには不向き」とされています。
この期間は季節の変わり目にあたり、気温や湿度の変化が激しいため、体調を崩しやすい時期でもあります。
そのため、体力を必要とする引っ越しのような大きな出来事は避けた方が良いとされてきました。
また、引っ越しは新たな生活のスタートを意味するため、環境の変化による精神的な負担も考慮する必要があります。
加えて、古来より土用の期間には運気が不安定になりやすいと信じられており、新しいことを始めることで予期せぬトラブルが生じる可能性があるとも言われています。
こうした理由から、土用の時期には引っ越しを控えた方が良いと考えられているのです。
土用の引っ越しが避けられない場合の対策
どうしても土用の期間中に引っ越しをしなければならない場合、以下のような対処法があります。
・「間日(まび)」を選ぶ
土用の期間中でも「間日」と呼ばれる日があり、この日は土の気が鎮まるため、引っ越しをしても問題がないとされています。
間日は、土公神の影響を受けにくいとされる特別な日であり、古くから重要視されてきました。
間日には、暦に基づいた計算方法があり、その年ごとに異なるため、事前に確認することが重要です。
また、間日に引っ越しをする場合でも、お清めの塩をまいたり、神社でお祓いを受けると、より安心して新生活を迎えられるとされています。
間日の確認は暦をチェックするのがよいでしょう。
・四隅にお清めの塩をまく
新居の四方に塩をまいて、土公神に対して「引っ越しをすることをお許しください」と謝罪するとよいとされています。
さらに、塩には邪気を祓う力があるとされており、家の四隅だけでなく、玄関や窓際にも軽くまいておくと、より安心して新生活を始めることができるでしょう。
また、粗塩を使用することで浄化の力が高まると考えられています。
お清めの際には、心を込めて感謝の気持ちを伝えることが大切です。
・神社でお祓いを受ける
気になる場合は、引っ越し前に神社でお祓いを受け、清めてもらうのも一つの方法です。
神社でのお祓いを受けることで、引っ越しに伴う不安を和らげ、新しい住まいでの生活をより良いものにすることができるでしょう。
また、神主に相談して、引っ越しに適した日取りやお祓いの方法についてアドバイスをもらうのも良いかもしれません。
お守りを授かることで、安心感を得ることができるため、気になる方はぜひ検討してみてください。
縁起の良い引っ越し日とは?
引っ越しの日を選ぶ際は、土用を避けることに加えて、吉日を選ぶのもおすすめです。
1. 大安
六曜の中で最も縁起が良いとされる日で、結婚式や引っ越しなどの重要なイベントに最適です。
2. 一粒万倍日
「一粒の種が万倍に実る」という意味を持つ日で、新しいスタートには最適な日とされています。
3. 天赦日
一年に数回しか訪れない最上の吉日で、「すべてのことが許される日」とされるため、引っ越しにも向いています。
まとめ
土用の期間の引っ越しが避けられる理由は、土公神の存在や、季節の変わり目による体調不良の影響、運気の低下が懸念されるためです。
しかし、どうしても避けられない場合は、間日を選ぶ、お清めを行うなどの対策をすることで、不安を和らげることができます。
また、引っ越しの日を決める際には、吉日を選ぶことで、より良いスタートを切ることができるでしょう。