土用の期間にしてはいけないことについて、「土いじりはダメ?」「旅行や引っ越しも避けるべき?」「うっかりやってしまったらどうすればいい?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
土用には、昔から土を動かすことや大きな変化を伴う行動を慎むという風習があります。
ただし、土用だからといって、何もしてはいけないわけではありません。
特に土いじりについては「間日(まび)」と呼ばれる例外とされる日もあります。
この記事では、土用期間にしてはいけないとされることから、土いじりの範囲、間日、やってしまった場合の考え方まで詳しく紹介します。
土用期間にしてはいけないことは?
土用期間にしてはいけないとされることには、主に次のようなものがあります。
- 土を掘ったり動かしたりすること
- 建築の基礎工事など土に関係する工事
- 旅行
- 引っ越し
- 就職・転職
- 結婚
- 開業
ただし、これらすべてが同じ理由から避けられているわけではありません。
土用で特に有名なのが、土を掘ったり動かしたりする「土いじり」です。
一方、旅行や引っ越し、結婚、開業などについては、季節の変わり目に大きなことや新しいことを始めるのを慎むという考え方と結びついています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
土を動かす行為・土いじり
土用で特に避けた方がよいとされてきたのが、土を掘ったり動かしたりする行為です。
土用の期間は「土公神(どこうしん)」という土を司る神様が土の中にいるとされ、土を動かすことは土公神を怒らせると考えられてきました。
そのため、次のような作業を慎む風習があります。
- 庭の土を掘る
- 草むしり
- 畑を耕す
- 植え替え
- 井戸掘りや穴掘り
- 建築の基礎工事
- 墓地の整備
- 石垣や塀など土に関係する工事
ただし、土用期間のすべての日に土いじりができないわけではありません。
後ほど紹介する「間日」には、土を動かしても差し支えないとする伝承があります。
旅行
土用は季節の変わり目にあたるため、昔から長距離の移動などを慎む考え方があります。
また、方位を気にする場合には「土用殺(どようさつ)」と呼ばれる方角を避ける考え方もあります。
ただし、現代では仕事や帰省などで旅行しなければならないこともあるでしょう。
土用だから旅行そのものができないというわけではありませんので、こうした風習を大切にしている場合に日程や方角を検討する材料のひとつとして考えるとよいでしょう。
引っ越し・新居の購入
引っ越しは生活環境が大きく変化するため、土用には避けた方がよいといわれることがあります。
新居の購入についても同様に、大きな決断や新しいことを始める時期として土用を避ける考え方があります。
ただ、契約や仕事、家族の都合などで日程を自由に変更できないケースも少なくありません。
土用は法律上の禁止期間ではありませんので、必要以上に不安になる必要はないでしょう。
就職・転職
就職や転職も新しい環境へ移る大きな変化のひとつです。
そのため、土用には新しいことを始めるのを避けるという考え方から、就職や転職も慎んだ方がよいといわれることがあります。
とはいえ、入社日は会社との調整で決まることが多く、自分だけでは変更できないこともあります。
風習を重視する場合は可能な範囲で日程を検討し、難しければ過度に気にしないことも大切です。
結婚
結婚も人生の大きな節目となることから、土用には避けた方がよいとする考え方があります。
特に結婚式は準備や移動などで負担が大きくなりやすいため、季節の変わり目に無理をしないという意味では、体調管理を意識しておくとよいでしょう。
すでに式場を予約している場合などは、土用に当たったからといって慌てて変更する必要はありません。
開業
開業や新規事業のスタートも「新しいことを始める」という意味から、土用を避けるという考え方があります。
日程を自由に選べるのであれば、土用期間を市場調査や準備、計画の見直しなどに使い、土用が明けてからスタートする方法もあります。
一方で、事業には契約や取引先などの事情もあります。
風習をどこまで取り入れるかは、現実のスケジュールと合わせて判断するとよいでしょう。
そもそも土用とは?
「土用」と聞くと、夏の「土用の丑の日」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、土用は夏だけではありません。
土用とは、立春・立夏・立秋・立冬の直前に設けられた期間のことで、春・夏・秋・冬の年4回あります。
季節と季節の間にある時期と考えると分かりやすいでしょう。
土用は年に4回ある
土用には、次の4つがあります。
- 冬土用:立春の直前
- 春土用:立夏の直前
- 夏土用:立秋の直前
- 秋土用:立冬の直前
一般的には夏土用がよく知られていますが、土用に土を動かすことを慎むという考え方は夏だけの話ではありません。
春・夏・秋・冬、それぞれに土用があります。
なぜ土いじりを避けるといわれている?
土用に土いじりを避ける風習は、陰陽五行説や土公神にまつわる信仰と結びついています。
土用には土を司る土公神が土の中にいると考えられ、その期間に土を掘ったり動かしたりすることを慎むようになったとされています。
一方、現代の感覚で考えると、土用は季節の変わり目でもあります。
暑さや寒さが変化する時期に大がかりな作業を控えて体を休ませることは、昔の人々にとって生活上の知恵という側面もあったと考えられます。
土用の期間はいつからいつまで?
土用は立春・立夏・立秋・立冬の直前にあります。
年によって二十四節気の日付が変わるため、土用の具体的な日付も毎年確認する必要があります。
2026年の土用期間は次のとおりです。
| 土用 | 2026年の期間 |
|---|---|
| 冬土用 | 1月17日~2月3日 |
| 春土用 | 4月17日~5月4日 |
| 夏土用 | 7月20日~8月6日 |
| 秋土用 | 10月20日~11月6日 |
このように、土用は1年に4回あります。
なお、年が変われば日付も変わるため、翌年以降にこの記事を見る場合は、その年の暦を確認してください。
土用期間でも土いじりができる「間日」とは?
「土用の間は庭仕事が一切できないの?」
そんな疑問を持つ方もいるでしょう。
土用には「間日(まび)」と呼ばれる日があります。
間日は土を動かしてもよいとされる日
間日は、土公神が土を離れるため、土を動かしても差し支えないと伝えられている日です。
そのため、土用期間にどうしても庭仕事や農作業などを行いたい場合は、間日を利用するという考え方があります。
約18日間すべての土作業を止めるのが難しい場合に覚えておきたい日です。
土用の間日はいつ?
間日は土用によって該当する十二支の日が決められているため、毎年日付が変わります。
たとえば2026年の秋土用は10月20日から始まり、10月24日・26日などが間日に当たります。
間日を利用して土作業をする場合は、その年の暦で正確な日付を確認してから予定を立てると安心です。
土用ではどこまでが「土いじり」になる?
土用について調べていると、「草むしりもダメ?」「水やりは?」「プランターなら大丈夫?」など、どこまでが土いじりなのか迷うことがあります。
伝承には現代の園芸作業を一つひとつ定めた統一的なルールがあるわけではありません。
そのため、風習を重視する場合は「土を掘る・動かす作業かどうか」をひとつの目安にすると分かりやすいでしょう。
草むしり・草刈り
草むしりは根を抜く際に土を動かすため、土いじりに含めて避ける考え方があります。
一方、地面を掘らずに地上部分だけを刈る草刈りは、土そのものを大きく動かさない作業です。
気になる場合は土用前に済ませるか、間日を利用するとよいでしょう。
家庭菜園・畑仕事
畑を耕す、畝を作る、苗を植えるといった作業は土を大きく動かします。
そのため、土用の風習を重視するのであれば避ける対象として考えるとよいでしょう。
ただし、農作物は暦だけに合わせて管理できるものではありません。
仕事や作物の生育上必要な作業まで無理に止める必要はなく、風習を取り入れたい場合は可能な作業を間日に回す方法もあります。
ガーデニング・植え替え
花壇を掘ったり、植物を植え替えたりする作業は土を動かすため、土用には避けるという考え方があります。
植え替えを予定していて日程を変更できるなら、土用前か土用明け、または間日に行うとよいでしょう。
プランターや鉢植え
プランターや植木鉢でも、土を入れ替えたり植物を植え替えたりすれば土を動かすことになります。
「地面ではないから絶対に大丈夫」とは一概にはいえません。
風習を気にする場合は、地植えと同じように植え替えを間日に行う方法があります。
水やり
水やりは通常、土を掘ったり移動させたりする作業ではありません。
植物を育てるために必要な日常的な管理でもあります。
土用だからといって植物への水やりまで控える必要はないでしょう。
剪定
枝や葉を切る剪定も、それ自体は土を掘る作業ではありません。
ただし、剪定と一緒に根を掘り起こしたり、植え替えたりするのであれば土を動かすことになります。
土用の風習が気になる場合は、作業内容を分けて考えるとよいでしょう。
仕事などで土いじりを避けられない場合は?
農業や建築、造園など、仕事で土を扱っている方にとって、土用のたびに作業をすべて中止するのは現実的ではありません。
土用は伝統的な暦や信仰に基づく風習です。
仕事や安全上必要な作業まで無理に中止する必要はありません。
風習を大切にしたい場合には、新しく土を掘り始める作業を間日に合わせるなど、無理のない範囲で取り入れる方法があります。
すでに始めている作業はどうする?
土用に入る前から始めていた工事や農作業についても、すべてを途中で止めなければならないと考える必要はありません。
特に仕事の場合は、安全性や工期、天候など現実的な事情を優先する必要があります。
土用を気にする場合は、開始日を調整するなど、取り入れられる範囲で考えるとよいでしょう。
どうしても作業が必要なら間日を活用する
自分で作業日を決められる場合には、間日を利用する方法があります。
庭の植え替えや家庭菜園など、数日程度なら予定を変更できる作業には取り入れやすいでしょう。
ただし、間日に合わせることで仕事や植物の管理に支障が出る場合は、そちらを優先してください。
土用の丑の日だけ避ければいい?
「土用」と「土用の丑の日」は同じものではありません。
「土用」と「土用の丑の日」の違い
土用は、立春・立夏・立秋・立冬の前にある一定の期間を指します。
一方、「丑の日」は十二支を日に割り当てたときの「丑」に当たる日です。
つまり「土用の丑の日」とは、土用期間中に巡ってくる丑の日のことです。
うなぎを食べる習慣で夏の土用の丑の日が有名になりましたが、「土用=丑の日の1日だけ」というわけではありません。
土いじりを慎むという風習も、基本的には土用期間についてのものです。
土用期間にしてはいけないことをやってしまったら?
土用だと知らずに草むしりをしたり、すでに旅行や引っ越しをしてしまったりして、「大丈夫かな?」と不安になっている方もいるでしょう。
しかし、必要以上に心配する必要はありません。
土いじりをしてしまった場合
土用に土いじりをしてしまったからといって、必ず悪いことが起こるというものではありません。
土用に土を動かすことを慎むのは、伝統的な暦や信仰に基づく風習です。
知らずに草むしりや植え替えをしてしまった場合も、過度に不安にならなくて大丈夫です。
風習を大切にしたいのであれば、その後の土を大きく動かす作業を間日や土用明けに回すとよいでしょう。
旅行や引っ越しをしてしまった場合
旅行や引っ越しについても、すでに行ってしまったからといって取り返しのつかないことをしたわけではありません。
仕事や家庭の事情など、日程を変更できないこともあります。
土用は現代生活における禁止事項ではないため、「やってしまった」と必要以上に後悔しなくてもよいでしょう。
必要以上に心配しなくてもよい
土用について調べると、「してはいけない」「災いが起こる」などの言葉を目にして不安になることがあります。
しかし、土用の禁忌は昔から伝わる風習や信仰によるものです。
何かをしてしまったからといって、必ず悪い出来事につながるという根拠があるわけではありません。
昔からの風習として尊重しながら、現代の生活に無理のない形で取り入れていくとよいでしょう。
土用期間は本当に何もしてはいけない?
土用期間は約18日あり、それが年4回あります。
その期間に旅行も仕事も庭仕事も新しいこともすべて禁止となれば、日常生活が難しくなってしまいます。
土用は「絶対に何もしてはいけない期間」と考える必要はありません。
昔から伝わる風習として考える
土用には、土公神への信仰や陰陽五行説など、昔からの考え方が背景にあります。
現代でもこうした風習を大切にしている家庭や地域があります。
一方で、どこまで気にするかは人それぞれです。
「昔からこういう風習がある」と理解したうえで、自分の生活に合わせて取り入れるとよいでしょう。
現代の生活では無理のない範囲で取り入れる
庭の植え替えを数日ずらせるなら間日にする。
急ぐ必要のない工事なら土用明けから始める。
一方、仕事や安全、健康に関わることなら、そちらを優先する。
このように、すべてを禁止事項として考えるのではなく、無理のない範囲で取り入れる方法があります。
土用期間におすすめの過ごし方
土用は季節の変わり目にあたります。
昔からの風習を意識するのであれば、「何をしてはいけないか」だけでなく、この時期を体や生活を整える期間として活用するのもよいでしょう。
無理をせず体調を整える
季節の変わり目は気温や天候が変化しやすい時期です。
十分な睡眠や休息を取り、体調を崩さないように過ごしましょう。
特に夏土用は暑さが厳しい時期なので、庭仕事などを無理に行わないことは熱中症対策という意味でも大切です。
新しいことを始めるための準備期間にする
新しいことを始めるのを避けたい場合は、土用期間を「何もしない期間」にする必要はありません。
開業を予定しているなら事業計画を見直す。
転職を考えているなら情報収集をする。
引っ越し予定なら荷物を整理する。
このように、土用明けから動き出すための準備期間として活用できます。
土用に縁起がよいとされる食べ物を楽しむ
夏土用の「うなぎ」は有名ですが、季節ごとに縁起がよいとされる食べ物があります。
- 春土用:「い」のつく食べ物や白い食べ物
- 夏土用:「う」のつく食べ物や黒い食べ物
- 秋土用:「た」のつく食べ物や青い食べ物
- 冬土用:「ひ」のつく食べ物や赤い食べ物
昔からの風習を楽しみながら、旬の食べ物を取り入れてみるのもよいでしょう。
まとめ|土用期間にしてはいけないことを知って無理なく過ごそう
土用期間に特に避けた方がよいとされているのは、土を掘ったり動かしたりする「土いじり」です。
庭仕事や畑仕事、植え替えなどを予定している場合、風習を気にするのであれば土用前後や間日に行う方法があります。
また、旅行、引っ越し、就職・転職、結婚、開業など、大きな変化や新しいことを慎むという考え方もあります。
ただし、土用は法律などで行動が禁止されている期間ではありません。
仕事や家庭の事情で避けられないこともありますし、知らずに土いじりなどをしてしまうこともあるでしょう。
その場合も必要以上に不安になることはありません。
土用を「何もしてはいけない怖い期間」と考えるのではなく、昔から受け継がれてきた風習のひとつとして知り、無理のない範囲で生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

