土用期間中に避けるべきこととは?やってしまった時の対処法!

雑節

土用の期間に控えるべき行動をまとめました。

「土用」という言葉は耳にしたことがあっても、その具体的な意味や、何を避けるべきなのか知らない方も多いのではないでしょうか。

また、土用期間中にうっかりタブーとされる行動をとってしまい、不安になることもあるかもしれません。

そこで今回は、土用に避けた方がよい行動と、万が一やってしまった場合の対処法をご紹介します。

土用とは?

土用とは、日本の伝統的な暦に基づく季節の移り変わりを示す期間の一つです。

古来より、日本では旧暦を使用していましたが、実際の季節とのズレが生じることがありました。

そこで、中国発祥の「二十四節気」や「七十二候」といった暦法を取り入れ、季節をより正確に把握しようとしました。

しかし、中国と日本の気候の違いから、そのままでは適用しづらい部分もあり、日本独自の「雑節」が生まれました。その中の一つが「土用」です。

土用は、立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間を指し、季節の変わり目にあたる重要な時期とされています。

この期間は、天候や気温の変動が激しく、体調を崩しやすいため、無理をせず慎重に過ごすことが推奨されています。

また、農作業や建築活動に影響を及ぼすと考えられたことから、特定の行動を慎む風習が生まれました。

さらに、土用には「土公神(どこうしん)」という土を司る神がいるとされ、特に土に関わる作業を避けるべきだとされています。

この信仰は、日本全国で古くから伝わり、現在も一部の地域では大切に守られています。

土用期間に避けるべきこと

土用の期間中には、昔から避けるべきとされている行動がいくつかあります。

その主なものを紹介します。

1. 土を動かす行為(土いじり・草むしり・建築工事など)

土用の期間中は、「土公神」という神様が土の中にいるとされ、土を掘ったり動かしたりすることが忌避されてきました。

この時期に地面を動かすことは、神様の安息を乱す行為とみなされ、昔から慎むべきとされてきたのです。

以下のような行為は特に控えるべきとされています。

  • 畑作業や庭いじり
  • 草むしり
  • 井戸掘りや穴掘り
  • 建築工事(増改築・基礎工事など)
  • 地鎮祭の実施
  • 墓地の整備や改修工事
  • 石垣や塀の修理

特に、地鎮祭を行うことは慎重になるべきとされ、神様に配慮しながら適切な日を選ぶことが大切です。

また、庭の手入れなども極力控え、どうしても必要な場合は最小限の作業にとどめるとよいでしょう。

ただし、「間日(まび)」と呼ばれる特定の日には、土公神が天に昇るとされ、この日に限っては土を動かす作業をしても問題ないとされています。

この間日は、土公神が一時的に地上を離れると考えられているため、建築や庭仕事などを行うなら、この日に行うのが望ましいとされています。

2. 旅行

土用の期間中は、どの方角も凶とされるため、旅行を控えた方がよいとされています。

特に「土用殺」と呼ばれる方位には注意が必要です。

この「土用殺」は、その年ごとに凶方位が変わるため、事前に確認することが重要です。

また、移動する距離が長いほど影響を受けやすいとされ、特に長距離の旅行や引っ越しは避けるべきだといわれています。

どうしても旅行しなければならない場合は、方除けの祈願を行うか、土用の影響を和らげるお守りを持つとよいでしょう。

3. 引っ越し・新居の購入

土用の時期は環境の変化を避けた方がよいとされ、引っ越しや新居の購入は推奨されていません。

この時期は気の流れが不安定になると考えられており、新しい生活をスタートするには適していないとされています。

特に、住環境の変化は心身に影響を与えるため、慎重に判断することが大切です。

また、どうしても引っ越しや新居購入を行う必要がある場合は、事前に神社でお祓いを受けるなどの対策を講じるとよいでしょう。

4. 就職・転職

新しい職場への移動も大きな変化を伴うため、土用の時期は避けた方がよいと考えられています。

この時期は心身のバランスが崩れやすく、新しい環境に適応するのが難しくなることがあるためです。

また、職場の人間関係の構築や新しい仕事の習得にも影響を与える可能性があるため、落ち着いた時期に転職や就職を行うのが望ましいとされています。

5. 結婚

結婚は人生の節目となる大切な出来事ですが、土用期間中は季節の変わり目であり、気候が不安定なため、体調を崩しやすい時期でもあります。

そのため、昔からこの時期の結婚は避けるべきだとされてきました。

また、環境の変化によるストレスも重なりやすく、精神的な負担が大きくなる可能性があります。

さらに、土用の期間は新しいことを始めるには適さないと考えられているため、結婚式の計画を立てる際には日取りを慎重に選ぶことが大切です。

どうしてもこの期間に結婚を行う必要がある場合は、神社でのご祈祷を受けるなど、縁起を担ぐ対策を取るとよいでしょう。

6. 開業

新しい事業を始めることも、大きな変化をもたらす重要な決断の一つです。

ビジネスを立ち上げる際には、計画を慎重に練り、適切なタイミングを見極めることが成功への鍵となります。

特に、土用の期間中は気の流れが不安定になりやすく、新しい試みを始めるには適していないと考えられています。

そのため、この期間中は無理に動くのではなく、市場のリサーチや準備に充てるのが賢明です。

慎重に計画を立て、土用が明けた後の落ち着いた時期にスタートすることで、より安定した基盤のもとで事業を進めることができるでしょう。

万が一、土用の期間にしてはいけないことをしてしまったら?

うっかり土用の期間に禁忌とされる行為をしてしまった場合、どうすればよいのでしょうか。

土いじりをしてしまった場合

土に塩を撒いて清め、心の中で「申し訳ありません」と謝罪しましょう。

その後、できればお線香を焚くか、白い紙に感謝の言葉を書いて供えると、より丁寧な謝罪となります。

また、気になる場合は神社やお寺に参拝し、お祓いを受けるのも良いでしょう。

旅行や引っ越しをしてしまった場合

「やむを得ずこの時期になってしまいました」と、心の中で土公神にお詫びしましょう。

誠意をもって謝れば、神様は理解してくれると考えられています。

また、可能であればお供え物を用意し、感謝の気持ちを伝えるのも良い方法です。

神社やお寺に足を運び、お参りをすることで心が落ち着き、より良い運気を引き寄せることができるかもしれません。

大切なのは、心からの誠意を持ち、慎ましく過ごすことです。

土用期間の過ごし方

土用の時期は、体調を整え、無理をせずゆっくり過ごすのが理想的です。

また、土用の期間には縁起の良い食べ物があることをご存知でしょうか?

  • 夏土用:「う」のつく食べ物(うなぎ、梅干しなど)や黒い食べ物
  • 春土用:「い」のつく食べ物(いちご、いわしなど)や白い食べ物
  • 秋土用:「た」のつく食べ物(たけのこ、たらこなど)や青い食べ物
  • 冬土用:「ひ」のつく食べ物(ひじき、ひらめなど)や赤い食べ物

こうした食べ物を取り入れながら、体に負担をかけない生活を心がけましょう。

まとめ

土用の期間中は、土を動かす行為や大きな環境の変化を避けるべきとされています。

しかし、万が一やってしまった場合も、適切に対処すれば問題ありません。

土用は昔の人が生活のリズムを整えるために作った風習の一つでもあります。

無理をせず、体調を整えながら穏やかに過ごすことを意識しましょう。

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