雛人形をいつ出して、いつ片付ければよいか迷っている方は意外と多いようです。
今回は、雛人形を飾るのに適した時期や、片付けるのに良いタイミングをわかりやすく解説します。
また、雛人形は女の子を守る大切な存在とされているため、良い日柄を選びたいと考える人も少なくありません。
そこで、縁起の良いとされるおすすめの日程についてもご紹介します。
雛人形を飾るのにふさわしい日はいつ?
雛人形は、桃の節句を祝うための大切な飾りです。
桃の節句は毎年3月3日に行われるため、「当日に飾ればいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、3月2日や3日に急いで飾る「一夜飾り」は縁起が悪いとされており、それ以前に準備を始めるのが一般的です。
目安としては、少なくとも1週間前までに飾り始めると良いとされており、多くの家庭では節分の翌日である立春の日から飾り付けを始めます。
節分は厄払いの行事、立春は春の始まりを意味し、いずれも縁起の良い時期とされています。
もちろん、必ずしも立春に飾る必要はありませんが、雛人形は女の子の健やかな成長を祈るためのもの。縁起を大切に考える人も少なくありません。
雛人形を飾るのに縁起が良い日
立春以外にも、縁起の良い日としておすすめの日があります。
大安
六曜の中でも最も良い日とされる大安は、結婚式や引っ越しといった祝い事で選ばれることが多い吉日です。
終日運が良いとされるため、焦らずゆったりと雛人形を飾れる点も魅力。
このため、大安に飾る家庭が多く見られます。
雨水
雨水は立春の次に訪れる二十四節気の一つで、毎年2月18日頃に始まります。
雪が雨に変わり、春の訪れを感じさせる日で、昔から農作業の準備を始める縁起の良い時期ともされています。
そのため、雛人形を飾る日としても良いとされています。
地域によって異なる雛人形を飾る時期
かつて日本では旧暦が使われていたため、現在の新暦とは1ヵ月ほどずれが生じることがあります。
その影響で、一部の行事は新暦では異なる時期に行われます。
たとえば、十五夜は旧暦では8月15日ですが、新暦では9月から10月にかけて行われます。
桃の節句は新暦でも3月3日に行われますが、地域によっては旧暦に基づいて1ヵ月遅れで祝うところもあります。
こうした地域では、春休みの間に雛人形を飾ったり、松の内(1月7日)を過ぎた直後に飾り始めたりする習慣があるのです。
このように、雛人形を飾る時期は地域や家庭の伝統によって異なります。
地元の慣習を尊重しながら、自分に合ったタイミングで飾り付けを楽しんでみてはいかがでしょうか。
雛人形は何歳まで飾るべき?
雛人形を飾る年齢に明確な決まりはありません。
雛人形は女の子の健康と幸せを願うものですが、何歳まで飾るかは家庭ごとに異なります。
小学校入学や中学校進学を節目にする人もいれば、就職や結婚をきっかけに片付ける人もいます。
昔は、結婚後も嫁ぎ先で雛人形を飾り、娘が生まれると親子2代の雛人形を一緒に飾ることもありました。
しかし、現代では住宅事情から実家に保管するケースが増えています。
子どもが独立した後も両親や祖父母が飾り続ける場合もあり、飾るのをやめるタイミングは人それぞれです。
雛人形をしまうのに適した時期
「片付けが遅れると婚期が遅れる」という話がありますが、これは迷信です。
もともとは「片付けができない子は良い嫁になれない」という教訓的な意味で広まったもの。
3月3日を過ぎたらすぐしまう必要はありません。
重要なのは、晴れた乾燥した日に埃を払い、湿気対策をして片付けること。
雨の日に急いでしまうとカビが発生しやすくなるので注意しましょう。
具体的な目安がほしいなら、3月6日頃の啓蟄(けいちつ)までに片付けるのが良いとされています。
この節気までに片付ければ、気持ちもすっきり新たな気分で春を迎えられます。
雛人形の保管場所の選び方
雛人形は飾っている期間よりも収納している時間の方が長いため、保管環境を間違えるとカビや色褪せの原因になります。
湿気が少なく風通しの良い場所が最適です。
水回りや窓、玄関付近は湿気がたまりやすく、直射日光も衣装を傷めるため避けましょう。
納戸やクローゼットに収納する場合も、外壁に接する位置は温度差で結露しやすいため注意が必要です。
おすすめの保管場所は、押し入れの上段や天袋です。
これらの場所は湿気が少なめですが、たまに扉を開けて換気するとさらに良い環境を保てます。
納戸やクローゼットしか選べない場合は、ぎゅうぎゅうに詰め込まず余裕を持たせることが大切です。
また、ケース入りの雛人形なら、ケースを開けて空気を通すことも効果的です。
雛人形を手放すタイミングと方法
雛人形を処分する時期は家庭によって異なります。
お子さんが家を出る時を区切りにする人もいれば、スペースがあればそのまま手元に置いておく人もいます。
処分方法としては、寺院の人形供養を利用するのが一般的です。
また、一部の自治体ではリサイクルの取り組みがあります。
さらに、ネットオークションやフリマアプリも活用できます。
日本らしい工芸品として海外の人々にも人気があり、専門の買取業者も存在します。
ゴミとして捨てる場合は、自治体のルールを確認してから処分してください。
まとめ
雛人形を飾るのに良いとされるのは、節分後の立春や雨水の頃。
片付ける時期は天候を選び、湿気を避けましょう。
保管場所は湿気が少なく風通しの良い押し入れの上段や天袋がおすすめです。
適切に保管して、雛人形の美しさを長く保ちましょう。